2021 Fiscal Year Research-status Report
ヒト心臓房室弁輪に潜在する未知の不整脈発生基質の組織学的探索
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20K07232
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
松山 高明 昭和大学, 医学部, 教授 (40349113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原口 亮 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 准教授 (00393215)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 房室接合部 / 副伝導路 / 組織標本 / 心房筋 / 心室筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度(令和元年度)から行っていた主要な研究項目の一つである「心疾患の既往のない心臓における潜在性の副伝導路心筋束の解析」について、病理解剖症例の解析を 23例まで増やし、心臓の肉眼的計測および組織学的計測データの採取を終了してデータを解析し、心房ー心室間の距離の年齢的な変化や、各弁輪部分での特徴を検討した。結果として当初想定していた潜在的な心房ー心筋間を連続する副伝導路に相当する筋束は見出すことができなかったが、心房ー心筋間距離に影響する特徴として、心室側弁輪に分布する肉柱構造が関連することを見出し、また、心房側にある特殊心筋細胞様構造は全例にみられることが明らかとなった。これらのデータを原著論文にまとめる作業を行い、日本循環器学会誌の Circulation Report に投稿して受理された(Circ Rep 2022;4:158-165)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記載した主要な課題の一つについては論文作成まで達成しており、今後はそれから派生して考案した研究課題や実際の副伝導路症候群症例との比較を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究を進める中で派生的に生じた房室接合部の加齢的な変化および中隔部の房室接合部の心筋配列の多様性について最終年度は研究を進め、さらに分担研究者のコンピューターシミュレーションとの結果のすり合わせを行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍が継続しており多くの学会・研究会がWeb開催となり、遠方への出張が減っているため多くの次年度使用額が生じた。次年度については組織学的検索に必要な機材をさらに求整備して研究データを得ていく予定である。
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Research Products
(5 results)