2020 Fiscal Year Research-status Report
起源の異なる海馬神経幹細胞がもたらす成体期神経新生および歯状回形成機構の比較解析
Project/Area Number |
20K07233
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
篠原 広志 東京医科大学, 医学部, 講師 (10455793)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 子宮内電気穿孔法 / 海馬歯状回 / ニューロン新生 / 神経幹細胞 / 顆粒細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
記憶・学習に重要な海馬の歯状回では、成体期までニューロンの新生が継続する特徴が有る。しかしながらこの成体期ニューロン新生がいつ・どこから産まれた神経幹細胞によってもたらされるかは不明である。この神経幹細胞の所在を調べるべく、その誕生地として予想される海馬背側部および腹側部を同時に標識し、いずれの領域由来の神経幹細胞が成体期ニューロン新生を行っているかを子宮内電気穿孔法によって行った。 この際、背側および腹側の神経幹細胞を区別して標識するために、それぞれの領域にて特異的に発現が認められるプロモーターを用いた。各プロモーター領域の下流に異なるシステムが付加(Cre-loxシステムおよびVcre-Vloxシステム)されることによって、色による識別を行うことが可能となる(PB-Hopx-Cre, PB-CAG-loxP-polyA-loxP-GFP, PB-Gli-VCre, PB-CAG-VloxP-polyA-VloxP-BFP)。これらを用いたE11.5での子宮内電気穿孔法を行ったが、途中で胎仔が消失するなどして、現在のところ予定通りの試料が得られていない。 コンストラクトの総量過多である可能性を考慮し、各プロモーター領域の下流に異なる蛍光タンパク質を付加されたコンストラクトを新たに作製することにした。背側領域標識はPB-Hopx-RFP, 腹側領域標識はPB-Gli-GFPをそれぞれ設計・作製した。この作製は順調に進んだ。 これらの完成したコンストラクトを用いて、E11.5のマウス胚への子宮内電気穿孔法を試みている最中であり、電気穿孔の細かな条件やコンストラクトの品質などの検討を行いながら、予定通りに試料が得られるように継続して行っている状況である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
子宮内電気穿孔法の実験自体の収率が良くないことに加え、度重なる緊急事態宣言等によって取り巻く環境がめまぐるしく変化することにより、集中的に研究が行えていない現状がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
取り巻く環境により、動物実験が困難な状況の際には、研究の進展を見据えたコンストラクトの設計や作製を行って準備を整えておく。 子宮内電気穿孔法の実験は、行う時期や用いる器具・コンストラクトの検討を行いながら着実に推進していく予定である。
|
Causes of Carryover |
マウスを用いた実験が十分に行えなかった背景があり、そのために動物購入費に充てる予算額やその他の消耗品費が残った結果となった。
|
Research Products
(3 results)