2020 Fiscal Year Research-status Report
低分子量Rap2B GTPaseによる新規エンドサイトーシス制御機構
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20K07245
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
江上 洋平 香川大学, 医学部, 講師 (80432780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 伸一 香川大学, 医学部, 教授 (10202748)
川合 克久 香川大学, 医学部, 助教 (80534510)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 新規エンドサイトーシス / Rap2B / ファゴサイトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、ファゴゾーム関連性新規エンドサイトーシスの制御メカニズムの解明とその生理的意義を明らかにすることである。Rap2Bの発現条件下において、新生ファゴゾームの近傍で形成されるエンドサイトーシス小胞は、細胞内膜系の小胞と区別が困難であることから、本年はRab20(、Lamp1)等の小胞マーカーを用いたコンフォーカルライブセルイメージングによるRap2Bとの局在の比較、新生小胞特異的マーカーのスクリーニングを行なった。その結果、Rab20(、Lamp1)はRap2Bと核周囲の小胞膜において共局在を示す一方、新生直後のRap2B陽性小胞には局在化しないことが分かった。このことから、Rab20(、Lamp1)はRap2B陽性の新生小胞を同定する上である程度有効であるものと考えられた。一方、新規エンドサイトーシス経路により形成されたRap2B陽性小胞が初期エンドソーム由来のフォーカルエクソサイトーシス小胞である可能性は否定されないことから、更なる新生小胞特異的マーカーのスクリーニング・同定が必要といえる。 現時点において、マクロファージにおけるFcγレセプター介在性ファゴサイトーシス過程におけるRap2Bの役割は不明である。そこで、本年はRap2BのGDP結合型の過剰発現による貪食への影響についても検討を行なった。その結果、Rab2BのGDP結合型の発現細胞において、ファゴゾーム形成の抑制が認められた。以上の結果は、Rap2Bがファゴゾーム形成の制御因子であることを示唆するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規エンドサイトーシスにより形成される小胞特異的なマーカーは同定されていないものの、Rap2BのGDP結合型の過剰発現により、Fcγレセプター介在性のファゴゾーム形成が抑制されるという予備的なデーターが得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
ファゴゾーム関連性新規エンドサイトーシスにより形成される小胞の特異的なマーカーのスクリーニングに加えて、RNAi等によるRap2Bの内在性タンパク質のダウンレギュレーションによる影響についても検討を行う。また、一般的なマクロピノサイトーシスはラッフリングで促進されることから、本課題の新規経路におけるラッフリング関連因子の関与ついて検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
抗体等の試薬が、当初の予定予算より少ない額で入手出来た。 また、Rap2B内在性タンパクの機能解析を翌年に先送りしたため、次年度使用額が生じた。 当初の予定通り、細胞内小胞マーカー、エンドサイトーシス関連因子のクローニング、Rap2B内在性タンパクの機能解析等で予算を執行する予定である。
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