2023 Fiscal Year Research-status Report
低分子量Rap2B GTPaseによる新規エンドサイトーシス制御機構
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20K07245
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
江上 洋平 香川大学, 医学部, 講師 (80432780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 伸一 香川大学, 医学部, 教授 (10202748)
川合 克久 香川大学, 医学部, 助教 (80534510)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Rap2B / ファゴサイトーシス / 顆粒 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの機能解析からRap2BはFcγレセプター介在性ファゴサイトーシスのファゴゾームと共に、新生ファゴゾーム近傍に形成されるエンドサイトーシス小胞に局在することが明らかとなっている。また、活性化型のRap2Bは細胞のPlasma Membrane(PM)に少なく、細胞内ファゴゾームと新生エンドサイトーシス小胞に多いことが示唆されていた。本年度は、Rap2Bの下流のシグナル伝達分子について検討を行った。Rap2Bについては、これまでに癌との関連性が報告されており、他の実験モデルにおいてERKやPI3K/Akt系を活性化することが知られている。その中でもAktについては、Fcγレセプター介在性ファゴサイトーシス経路において活性化され、Aktの活性化は貪食に影響を与えることがわかっている。以上のことを踏まえ、まず、貪食モデルにおけるRap2BとAktの両者の関連性について、ライブセルイメージングによる局在解析を行った。AktのアイソフォームAkt1、Akt2について貪食過程における細胞内局在を観察したところ、両者は同様の細胞内局在示し、主に細胞質と核に局在していることがわかった。また、ファゴゾームの形成時に両者は少量ではあるが、phagocytic cupに局在していた。次に、Rap2BによるAktアイソフォームの局在変化について、検討を行ったところ、Rap2Bの発現により、Akt1のphagocytic cup への集積が促進することが明らかとなった。また、貪食が認められた細胞について、Akt1の局在を追跡していくと、Akt1が細胞質内で顆粒様に集積していくことがわかった。尚、Akt2については、顕著な変化は認められなかった。現在、この顆粒様の集積構造物が何なのか検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Fcγレセプター介在性ファゴサイトーシス経路におけるRap2Bの下流シグナリングについて、新たな知見が得られているものの、当初予定していたRap2Bのノックダウン解析があまり進んでいないため。
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Strategy for Future Research Activity |
Fcγレセプター介在性ファゴサイトーシス経路において、Rap2Bの発現によりAkt1が顆粒状構造をとるという知見は、全く知られていないものであり、次年度はこの構造がどのような小胞構造であるのか検討していく予定である。また、この構造がファゴゾームや新生エンドサイトーシス小胞に与える影響などについても検討したい。さらに、Rap2Bのノックダウン実験についても実施する。
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Causes of Carryover |
Rap2Bの下流のシグナリング解析において、大変興味深い結果が得られ、この解析を最優先したため、当初予定していたRap2Bのノックダウン解析が保留となった。これに伴い、次年度使用額が生じた。本年度に、Rap2Bの下流のシグナル伝達分子解析やRap2Bのノックダウン実験で使用予定である。
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Research Products
(2 results)