2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K07248
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
古山 逹雄 香川県立保健医療大学, 教養部, 教授 (20238702)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リンパ管 / 弁形成 / Foxo1 / ずり応力 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスのリンパ管弁形成過程におけるFoxo1転写因子の機能を解析するため、CreリコンビナーゼをProx1プロモーターから発現誘導させ、かつタモキシフェンにより組み換え活性を誘導することによりリンパ管内皮細胞において特異的にFoxo1を欠損するマウス、または常時転写活性化をしめすFoxo1-3A変異体を発現するマウスの作成を行い、これらの組み換えマウスの腸間膜リンパ管の弁形成への影響を検討した。その結果、Foxo1を欠損させたマウスのリンパ管の弁の数の有意な増加がみられた。逆に常時転写活性化能を有するFoxo1-3Aを発現させたところ、Foxo1を欠損した場合と反対にリンパ管弁の数と成熟度が優位に抑制されていることを見いだした。このような表現型が得られた機構を明らかにするため、in vitroでヒト皮膚リンパ管内皮細胞(HDLEC)を用いて、Foxo1を発現抑制または常時転写活性化をしめすFoxo1-3Aを強制発現させたところ、発現抑制するとリンパ管の弁形成時に発現上昇してくる複数の遺伝子が発現誘導され、逆にFoxo1-3Aを強制発現させるとこれらの遺伝子の発現が抑制されることが観察され、in vitroにおいてもFoxo1が弁形成に関わる遺伝子の発現を抑制性に調節していることが明らかになった。またFoxo1はAktキナーゼによってリン酸化を受けると核外移行して転写活性が失われることが知られていることから、リンパ管弁の形成を誘導する刺激である振動性のずり応力をHDLECに負荷するとAktキナーゼが活性化しFoxo1がリン酸化されて転写活性の抑制が起こることが分かった。これらの結果から生理的なリンパ管弁形成の刺激である振動性のずり応力はAktキナーゼを活性化しFoxo1の転写活性化能を抑制することにより弁形成に必須な遺伝子の発現誘導を引き起こしていると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた組み換えマウスの作成が順調に進んだため、これらのマウスの表現型を同定することができた。またin vitroでのリンパ管内皮細胞を用いたずり応力負荷の実験系も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
リンパ管弁形成にFoxo1が必須であることがマウスのモデルにより明らかにすることができた。現在、Foxo1の下流で働く転写抑制因子の検討を進めている。同定出来たら、その遺伝の欠損によりFoxo1欠損マウスまたはFoxo1-3A変異体の表現型がどうなるかを検討していく。
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Causes of Carryover |
マウスの作成が滞っていたため次年度使用額が生じた。Foxo1欠損マウスおよびFoxo1-3A変異体マウスの表現型が同定できたので、Foxo1の下流で働く転写抑制因子を同定するためin vitroでのFoxo1を欠損させたリンパ管内皮細胞で発現変動する遺伝子をマイクロアレイ法により同定する予定である。また同定出来たら、この遺伝子の変異マウスを購入し、Foxo1変異マウスの表現型にどのような影響が起こるかを検討する。
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