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2021 Fiscal Year Research-status Report

Spatial and temporal analysis of voltage-sensing phosphatase activity in sperm

Research Project

Project/Area Number 20K07274
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

河合 喬文  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70614915)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords精子
Outline of Annual Research Achievements

電位依存性ホスファターゼVSPは、電位センサードメインを有するにも関わらず通常の電位依存性イオンチャネルとは異なってイオンチャネル活性を示さず、代わりに電位依存性酵素活性(ホスファターゼ活性)を示すという興味深い分子である。この精子特異的に発現している電位依存性ホスファターゼVSPについて、私はこれまでにマウスを用いてその精子における機能を解析し、これが精子の運動性の制御に関わることを明らかにしてきた。本研究では、このようなVSPによる精子における活性が、どのように形作られるのかについて、精子の成熟過程(時間的要素)や、精子内の局在(空間的要素)を考慮しながら、進めていた。その結果、時間的要素については、様々な成熟段階にある精子を野生型或いはVSP欠損型のマウスから収集し、そのイノシトールリン脂質の量を比較することで、この点を解析することに成功した。様々な成熟段階にある精子については、フローサイトメトリーや遠心による分画を組み合わせることによって分離を行った。その結果、VSPの活性について、成熟過程に応じて異なる結果が得られ、その活性が精子の成熟と密接な関わりを持つことが示唆された。
またマウスのVSPについて生理機能に関する詳細な解析結果が示されてこなかったという問題があった。これは、次項に示す通り、マウスのVSPが発現実験系では細胞膜へ上手く輸送されないという問題を抱えていたためである。そこで、この問題を克服するため、様々な変異実験を行い、大きな進展を得られることが出来た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

上述の通り、精子の成熟過程に着目することで、精子の成熟状態に応じたVSP活性について、これまでに見出されてこなかった現象を見出すことが出来た。この過程では各成熟状態の精子を適切に採取するところが難しい点であったが、適切な遠心分離による条件を検討すること、並びにフローサイトメトリーによってDAPIによる蛍光を検出することで、適切にこれらを分離することに成功した。
また、これまでVSPについては、ホヤやサカナ、ニワトリなどの非哺乳類においてのみその性質が詳しくわかっており、哺乳量ではその分子機能の解析が詳しくなされていないという問題があった。その理由の一つとして、哺乳類のVSPは発現細胞系で実験を行うとうまく細胞膜へと輸送されないという問題があったためであって。この問題を克服するため、私はマウスのVSPの構造に様々な工夫を凝らし、細胞膜へと上手く発現させることに成功した。また、その電位依存性についても詳細に検証することが可能となった。

Strategy for Future Research Activity

今回観察された精子の成熟過程に応じたVSP活性の違いについて、膜電位とのかかわりについてより詳細に解析を行っていく。これを可能とするため、膜電位感受性を変化させたVSPを発現する点変異マウスを作製し、これらのマウスにおいてVSPの酵素活性が変化しているのかについて検証を進めたいと思っている。一方で、このような検証を行うためには実際にマウスVSPにおいて電位依存性がどのようになっているのかという点と、どのアミノ酸を変化させることでその電位依存性がシフトするのかという点を実験的に証明する必要がある。前述の通り、私はすでにマウスVSPを細胞膜に発現させる実験系を見出すことに成功したので、この実験系を用い変異実験を行っていくことで、まずは電位依存性をシフトさせられるアミノ酸部位を同定する。この情報を基に遺伝子改変マウス(点変異マウス)を作製し、このマウスについて様々な成熟状態の精子を準備することで、VSPの膜電位依存性と精子の膜電位との関わりをより詳細に解析していく予定である。

Causes of Carryover

当初予定していた遺伝子改変マウスの作製や凍結胚からのストックを起こすにあたっての予定に、遅延が生じたため。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022 2021

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results)

  • [Journal Article] Spotlight on the Binding Affinity of Ion Channels for Phosphoinositides: From the Study of Sperm Flagellum2022

    • Author(s)
      Kawai Takafumi、Okamura Yasushi
    • Journal Title

      Frontiers in Physiology

      Volume: 13 Pages: 834180

    • DOI

      10.3389/fphys.2022.834180

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Heterogeneity of microglial proton channel in different brain regions and its relationship with aging2021

    • Author(s)
      Kawai Takafumi、Takao Keizo、Akter Sharmin、Abe Manabu、Sakimura Kenji、Miyakawa Tsuyoshi、Okamura Yasushi
    • Journal Title

      Journal of Neurochemistry

      Volume: 157 Pages: 624~641

    • DOI

      10.1111/jnc.15292

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Heterologous functional expression of ascidian Nav1 channels and close relationship with the evolutionary ancestor of vertebrate Nav channels2021

    • Author(s)
      Kawai Takafumi、Hashimoto Masaki、Eguchi Natsuki、Nishino Junko M.、Jinno Yuka、Mori-Kreiner Risa、Aspaker Mans、Chiba Daijiro、Ohtsuka Yukio、Kawanabe Akira、Nishino Atsuo S.、Okamura Yasushi
    • Journal Title

      Journal of Biological Chemistry

      Volume: 296 Pages: 100783~100783

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2021.100783

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2022-12-28  

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