2020 Fiscal Year Research-status Report
Contextual learning requires phosphorylation at Ser408-409 of GABAA receptor beta3 subunit
Project/Area Number |
20K07276
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
崎本 裕也 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (40634390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美津島 大 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70264603)
木田 裕之 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70432739)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 文脈学習 / 海馬 / GABAA受容体β3 / リン酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
文脈学習は、CA1錐体細胞におけるAMPA受容体のシナプス移行だけでなく、GABAA受容体を介する抑制性シナプスも強化し、シナプス入力を多様化する。研究代表者は、課題直後にGABAA受容体のβ3サブユニットのintracellular loopに存在する408と409番目のSerineがリン酸化される事実を特定し、学習依存的なGABAAシナプスの強化と、GABAA受容体open channel分子数の増加を確認した。そこで今回、HIV由来の細胞透過性tagペプチドを利用して両側CA1特異的にGABAA受容体β3 Ser408-409のリン酸化を阻止し、抑制性シナプス強化と学習成立の因果関係を分子レベルで立証することを目的とした。 Tatタグにβ3 Ser408-409を含むintracellular loopアミノ酸配列を重合し(Tat pep β3-SS)、β3 Ser408-409リン酸化を阻害できる(Smithら J Neurosci 2012)。対照群にはSer408-409をalanineに置換したTat pep β3-AAを用いた。28日齢のSDラット両側海馬CA1にガイドカニューレを埋め込み、文脈学習課題の1時間前に片側海馬CA1にTat pep β3-SSかTat pep β3-AAを投与した。スライスパッチクランプ法を用いて単一シナプス小胞あたりのCl-チャネル電流 (mIPSC) を測定した。課題5分後に焦点をあてmIPSCを観察した。結果、Tat pep β3-AA、非投与と比べてTat pep β3-SS投与においてmIPSCが減少した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りスライスパッチクランプ法により新奇のリン酸化阻害ペプチド、Tat pep β3-SS投与の効果が確認できた。また、対照群として用いたTat pep β3-AAは非投与群との違いがなかったことから、CA1領域のリン酸化に影響を与えないことも同時に明らかにできた。当該研究計画において、上記のペプチド効果の確認は初年度の目的であり、予定通り計画が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は計画書の予定通り①「β3 Ser408-409リン酸化とスパイン形態変化」を遂行する。簡単に、Tat pep β3によるリン酸化阻止を行い、filopodia型スパイン形成の阻止を試みる。脳スライスでも、Lucifer yellowの細胞内導入を進め、抗GABAA受容体β2/3 subunit抗体、Alexa594二次抗体を用いてfilopodia 型スパインの確認を行う。既存の共焦点レーザー顕微鏡で観察し、Neurolucida Rを用いて画像解析を行う。高速多光子顕微鏡(既存:Nikon A1R MP+)によるin vivo live imagingも進め、細胞体スパイン形態のTemporal dynamicsや、β3 Ser408-409リン酸化とスパイン形成の因果関係を明らかにする。
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Causes of Carryover |
緊急事態宣言の影響で学会活動等が困難となり、予定通り研究費が使用できなかった。令和3年度は令和2年度できなかった学会活動を行う予定である。
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