2023 Fiscal Year Research-status Report
Molecular and cellular mechanisms of fever in brain hemorrhage: possible involvement of microglia and platlets
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20K07281
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
松村 潔 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10157349)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脳出血 / 発熱 / シクロオキシゲナーゼ1 / ミクログリア / 血小板 / プロスタグランジンE2 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳出血による発熱の一部にはプロスタグランジンE2(PGE2)が関与している。これまでの結果から、ミクログリアに発現しているシクロオキシゲナーゼ1はこのPGE2産生に関与していないことが明らかとなった。今年度は、脳出血時に脳組織に漏出した血小板のシクロオキシゲナーゼ1(COX1)がPGE2産生と発熱に関与している可能性を検討した。PF4‐iCreマウス(血小板特異的にCreを発現)とCOX1-floxマウスを交配させ、血小板特異的COX1 欠損マウスを作成した。Genotypingで選別した血小板特異的COX1欠損マウスと対照マウスの尾血管から血液を採取し、血小板マーカーCD41とCOX1の2重免疫染色を行った。その結果、前者では血小板にCOX1の発現が見られないことを確認した。また、脳出血の実験終了後に脳組織の免疫染色を行った。両群ともミクログリアのCOX1は発現していた。一方、出血部位で凝集した血小板では血小板特異的COX1欠損マウスで、COX1の発現が見られなかった。これらの結果から血小板特異的にCOX1が欠損していることが確認できた。 これらの2群のマウスで、脳出血による発熱を比較した。コラゲナーゼを視床下部に微量注入して脳出血を引き起こした。両群とも脳出血により体温は上昇したが、上昇幅は血小板特異的COX1欠損マウスで減弱していた。この結果は脳出血発熱の一部に血小板COX1由来のPGE2が関与していることを示す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験に必要な遺伝子改変マウスの供給が遅れているため、実験がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験の個体数を増やし、結果を確実なものとする。脳組織のPGE2を測定し、血小板特異的COX1欠損マウスでPGE2量が減少しているか検討する。
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Causes of Carryover |
マウスの繁殖が予定より遅れているため、実験期間を延長した。繰越金はマウスの飼育の外部委託と、脳出血領域の脂質メディエータの網羅的解析に使用する予定である。
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