2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analyses of induction mechanisms underlying steroid-resistant asthma by focusing on "Epimmunome"
Project/Area Number |
20K07301
|
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
奈邉 健 摂南大学, 薬学部, 教授 (40228078)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 将也 摂南大学, 薬学部, 助教 (30783005)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ステロイド抵抗性 / 喘息 / ILC2 / 上皮細胞 / IL-33 / TSLP / JAK |
Outline of Annual Research Achievements |
2型自然リンパ球(ILC2)が上皮由来サイトカインによって刺激を受け、pro-inflammatoryに変化を遂げる機序をさらに明らかにするため、上皮由来サイトカイン(L-33、TSLPなど)などの刺激によってILC2にステロイド抵抗性を誘導するin vitro系の確立、ならびにその誘導機序の解析を企図した。(1)肺から単離したILC2にIL-33、もしくはIL-2、IL-7あるいはTSLPをそれぞれ単独で96 h処置した場合の細胞増殖反応は、いずれもステロイド薬の処置によってほぼ完全に抑制された。(2)IL-2、IL-7およびTSLPを3者併用でILC2に処置した場合の増殖反応もステロイド薬でほぼ完全に抑制された。(3)一方、上記2の反応にIL-33を併用させた場合のILC2の増殖はステロイド抵抗性に変化した。これまでの報告で、IL-33はTSLP受容体の発現増強を起こすことを考慮に入れると、IL-33はTSLP、IL-2、IL-7の受容体の発現増強を起こすことにより、これらの下流シグナルを増強させていることが示唆された。また、IL-2受容体、IL-7受容体およびTSLP受容体の主な下流シグナルとしてはJAK/STAT系、IL-33受容体の主な下流シグナルはMAPK系であることから、これら複数のシグナルによる相乗作用によってステロイド抵抗性が誘導されていると考えられた。一方、別のin vivo実験において、ステロイド抵抗性喘息モデル由来のILC2が、感受性モデルのそれに比して、アポトーシス抑制因子であるBcl-2およびcellular inhibitor of apoptosis (cIAPs)をコードする遺伝子の発現増強を示した。したがって、ILC2のステロイド抵抗性の誘導は、ステロイド薬によるアポトーシス誘導に生理的に拮抗した結果でもある可能性が示唆された。
|
Research Products
(15 results)