2020 Fiscal Year Research-status Report
Regulation of signal response through a novel DKK1 receptor "CKAP4"
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20K07311
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 英樹 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教授 (20372691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐田 遼太 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (60869783)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小胞輸送 / 受容体 / 小胞体 / 細胞膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
私が所属する研究室では主に小胞体(ER)に局在するCKAP4が細胞膜にも局在し、DKK1受容体として機能することを見出したがCKAP4がERに停留する機構や細胞膜へ輸送される機構は不明であった。そこで、CKAP4のERへの停留、ならびに細胞膜への輸送の分子機構を解析した。膵がん細胞株S2-CP8細胞を15℃2時間処理するとERGICに局在する割合が増加し、10℃2時間処理するとER exit siteに局在する割合が増加した。また、COPIを構成するサブユニットのβ-COPをノックダウンすると15℃2時間処理してもERGICに局在する割合は37℃処理と変わらなかった。したがって、CKAP4はゴルジ体からCOPIを介してERに輸送され、ERに停留することが示唆された。また、S2-CP8細胞においてトランスゴルジ膜画分と細胞膜画分のCKAP4の結合分子を探索し、Annexin A2を同定した。Annexin A2は4個のα-へリックス構造からなるコアドメインを持つ36 KDaの蛋白質でC末端側にリン脂質の結合部位が存在する。そこで、Annexin A2とCKAP4の細胞膜局在との関連を解析した。S2-CP8細胞において、Annexin A2をノックダウンすると細胞膜に局在するCKAP4が減少され、その細胞に野生型Annexin A2を発現させるとCKAP4の細胞膜局在は回復したが、リン脂質結合部位を含むC末端を欠失したAnnexin A2を発現させてもCKAP4の細胞膜局在は回復しなかった。また、CKAP4はN末端側の細胞質領域を介してAnnexin A2と結合し、Annexin A2結合部位を含む細胞質領域を欠失したCKAP4変異体は細胞膜に局在しなかった。したがって、Annexin A2によってCKAP4の細胞膜への輸送が制御されることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
私はCKAP4のERに停留する機構や細胞膜への輸送機構を明らかにしつつあり、これらの研究成果を令和3年度に論文投稿する予定である。研究分担者の佐田と共に食道扁平上皮がんと膵がんにおけるDKK1の過剰発現機構を明らかにするために、DKK1の発現を促進する転写因子を探索した結果、FOXM1を同定した。また、FOXM1もDKK1-CKAP4シグナルによって遺伝子発現が亢進することを見出した。これらの結果から、DKK1はCKAP4を介してFOXM1の発現を誘導することにより、さらにDKK1自身の発現を誘導し、細胞増殖能が亢進されることが示唆された。FOXM1によるDKK1の転写活性化の解析において、私はDKK1プロモーター領域においてFOXM1の転写活性化に必要な領域をリポーターアッセイによって明らかにした。これらの研究成果をOncogeneに投稿し、掲載される予定である。 したがって、当初の計画通り、順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでにCKAP4がERに停留する機構や細胞膜への輸送機構を解析し、Annexin A2を介してCKAP4が細胞膜へ輸送される機構を明らかにしてきた。今後はCKAP4がERに停留する分子機構の詳細を明らかにしていく予定である。具体的にはCOPI以外の経路がCKAP4のERへの停留に関連するかをRab6等のノックダウン実験によって解析する。また、CKAP4のどの領域がCKAP4のERの停留に関与するかをCKAP4の細胞質領域の欠失変異体の恒常発現株を用いて解析する。最終的にCKAP4がいかにして細胞膜へ輸送されるのか、あるいはERに停留するのか、その分子機構を明らかにする。
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Research Products
(2 results)