2022 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内S-アデノシルメチオニン量変動適応機構の解析
Project/Area Number |
20K07321
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島 弘季 東北大学, 医学系研究科, 助手 (00448268)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
MAT2の核内移行に必要であると考えられている制御サブユニットであるMAT2Bの機能を欠失させることで、MAT2が細胞質に多く存在する細胞を得ることを行った。CRISPR-Cas9システムを利用し、ヒト線維芽細胞株GM0637においてMAT2B遺伝子をノックアウトした。FLAG-HAエピトープタグ付きの野生型マウスMAT2Bを発現させるレトロウイルスベクター、あるいはMAT2Bタンパク質において、MAT2A二量体との相互作用に必要なC末端の15アミノ酸を欠失したMAT2B-ΔC15変異を発現させるレトロウイルスベクターを作製し、これらを用いて、シングルセルとして得られたノックアウト細胞をレスキューしたものを得た。抗FLAG抗体を用いた免疫沈降によりΔC15欠失変異MAT2BはMAT2Aと相互作用しないことを確認した。これらのレスキュー細胞におけるMAT2Aの局在を確認したころ、野生型でレスキューした細胞はMAT2Aが核内に多く分布したのに対して、ΔC15欠失変異によるレスキューでは、空ベクターによるレスキュー同様にMAT2Aはdiffuseな分布であったことから、MAT2の核内局在にはMAT2AとMAT2Bの相互作用が重要であることが明らかになった。MAT2の核内局在の遺伝子発現制御にとっての意義を明らかにするため、レスキュー細胞を用いてRNAシークエンスを行った。また、FLAG抗体を用いた免疫沈降によって野生型あるいはΔC15欠失変異MAT2Bタンパク質とともに共精製されるタンパク質を質量分析によって同定し、MAT2の核内移行に関与する因子の探索を行った。
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Research Products
(6 results)