2022 Fiscal Year Annual Research Report
RAGE膜貫通ドメインによる細胞膜ダイナミクスとがん悪性化シグナルの解明
Project/Area Number |
20K07323
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
棟居 聖一 金沢大学, 医学系, 助教 (10399040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 久美 金沢大学, 医学系, 助教 (60409472)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | RAGE / がん悪性化 / 膜ダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍組織形成における、腫瘍細胞同士あるいは腫瘍細胞外環境との相互作用は、リガンドと受容体の結合に依存しており、その結合により誘導されるシグナルが腫瘍を形成している。この機構を解明するために研究代表者らは、がん細胞が悪性化し、がん幹細胞様のスフェロイド形成の誘導を示す現象に、パターン認識受容体として知られているRAGEの発現が必須であること、およびこの現象は既知のRAGEシグナルを介さず、RAGEの細胞膜貫通ドメインの存在のみで成立する現象であることを見出してきた。 この現象の生物学的な機構を明らかにすることを目的として、昨年度までに、RAGE膜貫通領域TM-RAGEを導入したHOS細胞(HOS-TM(RAGE))のTM-RAGEは細胞膜上の機能ドメインである脂質ラフトに存在することを見出した。また、この現象がTM-RAGE特異的であることを示す為にRAGEの細胞膜貫通領域のアミノ酸配列の順番をランダムに変更したTMsc-RAGEをHOS細胞に導入した高発現株(HOS-TMsc(RAGE))を得て、スフェロイド形成能を検討し、RAGE発現により誘導されるスフェロイド形成はTM-RAGE特異的であることを明かにした。さらに、最終年度にHOS-TMsc(RAGE)を陰性対照としてHOS-TM(RAGE)のTM-RAGEをpull downし、共沈してくるタンパク質の解析を行い、数種類のTM-RAGE特異的結合タンパク質を見出した。これらのタンパク質を質量分析により解析を行い、その中の一つタンパク質Xを同定した。さらに、このタンパク質XはRAGE発現によりその発現が亢進することを明かにした。以上の結果はがん細胞の悪性化の指標であるスフェロイド形成はRAGEとタンパク質Xとの相互作用を介する現象である可能性が示唆される。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Oxytocin Dynamics in the Body and Brain Regulated by the Receptor for Advanced Glycation End-Products, CD38, CD157, and Nicotinamide Riboside2022
Author(s)
Higashida H, Furuhara K, Lopatina O, Gerasimenko M, Hori O, Hattori T, Hayashi Y, Cherepanov SM, Shabalova AA, Salmina AB, Minami K, Yuhi T, Tsuji C, Fu P, Liu Z, Luo S, Zhang A, Yokoyama S, Shuto S, Watanabe M, Fujiwara K, Munesue SI, Harashima A, Yamamoto Y.
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Journal Title
Front Neurosci .
Volume: eCollection 2022
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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