2022 Fiscal Year Annual Research Report
繊毛内における蛋白質の輸送を制御する分子メカニズムの解明
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20K07326
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
茶屋 太郎 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (50747087)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 繊毛 / リン酸化 / タンパク質輸送 / キナーゼ / 繊毛病 / 網膜 / ゲノム編集 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
繊毛病の病態メカニズムを明らかにするために、繊毛病原因キナーゼIck、Makと相互作用する分子のスクリーニングを行い、繊毛病原因遺伝子として知られるSdccag8を候補因子として同定した。免疫沈降法によって、IckとMakはSdccag8のC末端領域 (Sdccag8-C)と相互作用することが明らかとなった。ヒトSDCCAG8のC末端領域を欠損させると考えられる変異が、網膜や腎臓の変性といった様々な器官の異常と関連することが報告されている。これらの結果と知見に基づいてSdccag8のC末端領域に着目し、培養細胞を用いた実験により、Sdccag8-CがSdccag8の基底小体への局在と繊毛形成に必要であることを明らかにした。さらに、in vivoにおけるSdccag8-Cの役割を明らかにするために、ゲノム編集を用いてSdccag8-Cが欠失するように終止コドンをノックインしたSdccag8部分欠失 (Sdccag8ΔC/ΔC)マウスを作製した。Sdccag8ΔC/ΔCマウスを解析したところ、Sdccag8ΔC/ΔCマウスは、口蓋裂、多指、網膜や腎臓の変性、精子形成異常といった繊毛病様の表現型を示し、それらの表現型はIck欠損マウスやMak欠損マウスの表現型と一部類似していた。以上の結果から、Sdccag8-CはSdccag8の基底小体への局在と繊毛形成に必要であること、Sdccag8はIck、Makと機能的に相互作用していることが示唆された。本研究により、繊毛病原因タンパク質の相互作用ネットワークと繊毛病の病態メカニズムの一端が解明されたと考えられる。また、申請者らはIckおよびMakと相互作用する新規の因子を見出し、現在のその機能解析を行っている。
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