2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the regulatory mechanism of integrin-harboring vesicles for the suppression of pathogenic vesicles
Project/Area Number |
20K07331
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
近藤 直幸 関西医科大学, 医学部, 講師 (30570840)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インテグリン / 小胞輸送 / LFA-1 / inside-out / outside-in / Rab8 / Rabin8 / 一分子計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では, 免疫細胞間の接着に重要な白血球インテグリンLFA-1を含む小胞の生成・輸送の制御機構の解明を目指している. 前年度までに低分子量Gタンパク質Rab8がLFA-1を含む小胞に共局在すること, Rab8の欠損によりLFA-1依存的なリンパ球の接着が低下することを示していた. 今年度はRab8によるLFA-1の制御機構に注目しその解明を進めた. Rab8の活性型であるQ67L変異体と不活性型であるT22N変異体をRab8欠損リンパ球に導入し野生型Rab8発現リンパ球と比較したところ, 細胞接着能はQ67Lを発現するリンパ球で有意に高く,T22Nで有意に低かったことから, Rab8の活性化が細胞接着に重要な働きを担うことが明らかになった. またRab8の活性型を認識するプローブであるJFC1を蛍光タンパク質で標識して細胞に導入しその局在を見たところ, Rab8は細胞の接着面で顕著に活性化していた. 次に, Rab8の上流で働くグアニンヌクレオチド交換因子であるRabin8を欠損させたリンパ球を作製し上記の一連の解析を行ったところ, Rabin8欠損により細胞接着能と細胞接着面でのRab8の活性が低下した. また, 細胞接着面でのLFA-1の蓄積を調べたところ, Rab8, Rabin8欠損の両方においてLFA-1の蓄積が野生型に比べて低下していた. さらに, 近年確立した一分子計測系を用いてLFA-1の活性化機構を調べたところ, LFA-1の構造変化 (affinity)よりもLFA-1の密度(avidity)の制御にRab8は重要であった. 以上の結果を踏まえて, Rabin8-Rab8経路がLFA-1を細胞接着面に輸送しavidityを制御するという新しいLFA-1制御モデルを提案した. 現在これらの結果を論文にまとめ投稿準備中である.
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Research Products
(11 results)