2021 Fiscal Year Research-status Report
ユビキチン化によるスパイン形成とシナプス可塑性の制御機構解明;認知症改善を目標に
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20K07334
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
川辺 浩志 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00582454)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ユビキチン / シナプス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、Nedd4-2の局在を検討した。その目的で、すでに論文で発表されている抗体と市販の抗体でNedd4-2を抗原にして作られたものを多数調達して、培養したNedd4-2欠損神経細胞とコントロール神経細胞を染色したその結果、内在性のNedd4-2の局在を明らかにすることができた。この結果から、Nedd4-2が神経細胞内のどこでユビキチン化を触媒することでシナプスの数と機能を制御するのかを明らかにすることができた。また、Nedd4-2の基質タンパク質をコードする遺伝子の欠損マウスとNedd4-2欠損マウスを交配して二重欠損マウスを作製した。このマウスはNedd4-2欠損マウスに認められたシナプスレベルの表現型をほぼ完璧に回復した。この結果からNedd4-2がこの基質タンパク質の発現を抑制することがシナプスの数と機能の制御に重要であることが明らかになった。最終年度は、超解像3D-STED顕微鏡を使ってシナプス前部とシナプス後部の微細形態を観察してNedd4-2欠損マウスでどのような変化があるか明らかにして、認知症モデルマウスの表現型との関連を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
内在性のNedd4-2の局在を明らかにできた。この成果から、神経細胞内のどこでNedd4-2が機能しているか明らかになった。また、Nedd4-2遺伝子と基質タンパク質をコードする遺伝子の二重欠損マウスの解析が進んだ。また、超解像3D-STED顕微鏡を使ってシナプス前部とシナプス後部の微細形態を観察する実験の条件設定が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、超解像3D-STED顕微鏡を使ってシナプス前部とシナプス後部の微細形態を観察してNedd4-2欠損マウスでどのような変化があるか明らかにして、認知症モデルマウスの表現型との関連を明らかにする。論文にまとめるために執筆活動も行う。
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Causes of Carryover |
研究に使用する予定であった消耗品の納期が予定よりも遅れたため。
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