2020 Fiscal Year Research-status Report
インフラマソームアダプターASC解析による自己炎症性疾患の共通病態形成機構の解明
Project/Area Number |
20K07339
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
駒井 浩一郎 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (40304117)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インフラマソーム / ASC / スプライスバリアント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は全国的な新型コロナウイルス感染症流行のため、年度開始から数ヶ月間における大学施設の入構制限が行われ、また研究に従事予定だった複数の大学院生が休学を余儀なくされるなど予想外の事態に遭遇した。そのため研究活動が限定的に可能になった年度後半より計画書記載の課題2「ASC スプライスバリアントの産生機序の解明」を優先して実施した。エクソン2欠損型ASCスプライスバリアント(Δexon2 ASC) 発現が認められた回帰性リウマチ患者由来DNAに見出しているASCエクソン1上流SNPを含む正常/変異型DNA断片を組み込んだpSPL3ベクターを新たにTHP-1細胞に導入しスプライシング再現実験を行った結果、変異型DNAを導入した場合、野生型に比してΔexon2 ASC発現が優位に認められた。またIL-1βやこの下流シグナル分子であるC6-Ceramide刺激を同時に行った場合、Δexon2 ASCは減少し正常型スプライシングASCの発現が亢進した。既に当研究室から論文報告済みの通り、Δexon2 ASCは正常型に比して高いIL-1β産生に関与する。これらより、ASCエクソン1上流SNPによるΔexon2 ASC発現によってIL-1βやCeramide産生が亢進し、これらがΔexon2 ASC産生を減弱させるフィードバックループを作っていること、すなわちIL-1などインフラマソーム依存性炎症性サイトカインの周期的発現を惹起している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は全国的な新型コロナウイルス感染症流行のため、年度開始から数ヶ月間における大学施設の入構制限が行われ、また研究に従事予定だった複数の大学院生が休学を余儀なくされるなど予想外の事態に遭遇したため。
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Strategy for Future Research Activity |
計画書課題1:ASC スプライスバリアントの機能の解明 従前の計画書通り、既に構築済みのTHP-1細胞を用いたASC野生型/バリアントのIL-1β産生能測定系を用いて、第1刺激としてLPS、第2刺激としてフラジェリンやpole(dA:dT)などを用いた実験を行い、ASCスプライスバリアントの機能評価を行う。 計画書課題2:ASC スプライスバリアントの産生機序の解明 ASCエクソン1上流SNPとIL-1βやCeramide刺激によってスプライシングが変動する原因として本SNPに作用する転写やスプライシング制御因子の発現が変動している可能性が考えられる。そこで刺激実験を行ったTHP-1細胞の全RNAよりRNAseqを行い、網羅的に発現変動している遺伝子の探索を試みる。
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Causes of Carryover |
(理由) 本年度は全国的な新型コロナウイルス感染症流行のため、年度開始から数ヶ月間における大学施設の入構制限が行われ、また研究に従事予定だった複数の大学院生が休学を余儀なくされるなど予想外の事態に遭遇したため、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 次年度使用額は新年度の物品購入費に充当する予定である。
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