2022 Fiscal Year Annual Research Report
Crb3-PTPN3系を介した新規大腸腺癌転移制御機構の解析と転移阻害への応用
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20K07368
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
飯岡 英和 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20425416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 英作 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30252951)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 浸潤転移 / 細胞極性 / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸腺癌細胞の移動性・転移性を高める働きを持つ一回膜貫通タンパク質Crumbs3(Crb3)が、どのようなメカニズムを介して作用するのかを明らかにするため、細胞内に存在するFERMドメインに注目した解析を行い、非受容体型チロシン脱リン酸化酵素であるPTPN3と結合することを見出した。 患者大腸腺癌組織を用いた免疫組織染色によりPTPN3はCrb3と同様に腫瘍管腔頂部膜に強い局在を認め、Crb3と共局在していると考えられた。また、大腸腺癌細胞株を用いたノックダウン、ノックアウト実験においても、Crb3と同様に細胞の移動性が阻害されたことから、PTPN3はCrb3と協調して大腸腺癌細胞の移動を促進する機能があると考えられた。さらに昨年度までにCrb3及びPTPN3のノックアウトにより特定のRab25タンパク質が減少することも見出しており、移動性に与える影響との関連例も見出した。最終年度はさらに決定的な分子メカニズムに迫るため、PTPN3の脱リン酸化活性がCrb3、Rab25とどのように関わるのかを明らかにするため、合成基質DiFMUPを用いた活性測定を検討したが、恐らくPTPN3の活性が低いため、有意な差を検出することが出来なかった。しかし、野生型のPTPN3(PTPN3-WT)を過剰発現させると細胞の増殖が阻害されるが、脱リン酸化酵素の活性中心に変異を導入したPTPN3-PNは発現させても増殖性に影響は見られないため、ホスファターゼドメインが何らかの機能を果たしていることは明らかである。そこで、脱リン酸化基質の同定を狙っていPTPN3-PNをベイトとした免疫沈降を行い、候補タンパク質を得ることが出来た。活性測定に問題があり研究期間中に完結することは出来なかったが、基質タンパク質に関する追加のデータを取得して発表したい。
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Research Products
(4 results)