2022 Fiscal Year Annual Research Report
Liver pathology of immune-related adverse events
Project/Area Number |
20K07369
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
原田 憲一 金沢大学, 医学系, 教授 (30283112)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 肝臓 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 肝障害 / 病理 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)免疫チェックポイント阻害剤による免疫関連有害事象(irAE)肝障害の肝生検検体を北陸の病院から21例、また厚労省の難治性疾患等政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する研究」班による全国調査から32例を収集した。また、対照疾患として自己免疫性肝炎, 原発性胆汁性胆管炎, 薬物性肝障害を50例以上を収集しえた。組織学的観察によりirAE肝障害の組織学的病型として、既報の急性肝炎の3つの病型(汎小葉型,中心静脈周囲型,肉芽腫型)に大別できた。また小葉炎が乏しいパターンとして、門脈域炎のみが目立つ門脈域炎型や脂肪変性型があった。また胆管障害/胆管炎を伴う症例も多く認めたが、組織学的病型との関連性は乏しく、臨床的病型分類の混合型/胆汁鬱滞型で多い傾向があった。その他、血管内皮炎を伴う症例もあった。胆汁栓などの急性胆汁鬱滞を示す症例はなく、形質細胞浸潤は目立たなかった。CD4,CD8の免疫染色では、CD4に較べCD8陽性T細胞が優位に見られたが、その傾向は門脈域よりは実質内でより顕著であった。 2)原発性胆汁性胆管炎のバイオマーカーとして見いだしたインドールアミン酸素添加酵素(IDO-1)は、原発性胆汁性胆管炎の胆管のみならずirAE肝障害の胆管にも発現していた。また、胆管にirAE発現を伴うirAE肝障害患者ではステロイド治療のみならず、ウルソデオキシコール酸治療の追加も必要な患者が多かった。ヒト培養胆管細胞は通常の培養条件下ではIDO-1の発現は認めなかったが、IFN-γ刺激にてIDO-1発現が誘導された。IDO-1がirAE肝障害の病理学的な診断バイオマーカーになることが示唆された。
|