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2023 Fiscal Year Research-status Report

中皮間葉転換を起点とする播種微小環境形成メカニズムの臓器横断的解明

Research Project

Project/Area Number 20K07380
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

菊地 良直  帝京大学, 医学部, 准教授 (90512260)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywordsがん微小環境 / がん関連線維芽細胞 / 播種 / 大腸癌 / 胃癌
Outline of Annual Research Achievements

これまでの研究成果から、原発巣および播種層の漿膜下層に浸潤する腫瘍細胞のがん微小環境においては、中皮細胞からがん関連線維芽細胞(以下CAF)が誘導される中皮間葉転換(以下MMT)が非常に重要であることが示唆された。しかしながら、病理組織標本上のMMTの検出マーカーは中皮細胞由来のcalretininに依存しているため、MMT領域と判定している領域のCAFが中皮細胞と関係なくcalretininを発現している可能性を除外する必要がある。CalretininをマーカーとしたMMT誘導領域の判定の妥当性を検証するため、空間トランスクリプトーム解析を行う方針とした。これにより漿膜表面の中皮細胞とこれに連続するcalretinin陽性のCAFの発現遺伝子を網羅的に解析し、pseudotime analysisによって、calretinin陽性のCAFが中皮由来といえるかを検討する方針とした。空間トランスクリプトーム解析により、現在6000遺伝子相当の解析が可能となった。大腸癌および胃癌において腫瘍細胞が漿膜面に露出する原発巣および播種巣の病理組織標本をcalretininの免疫染色を用いて再評価し、空間トランスクリプトーム解析に適した切片を選別した。近日中に大腸癌および胃癌の原発巣および播種巣における空間トランスクリプトーム解析を実施予定である。
播種巣のMMT誘導による免疫抑制微小環境に関しては、MMTを誘導した中皮細胞株(MET5A)とT細胞を共培養し、Tregの誘導を確認する実験を行う方針としている。現在、実験に用いる細胞株を培養し、共培養実験の適切な条件を検討している。
既に解析結果が得られている内容まで、論文化の準備を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究計画段階では予定していなかったが、本研究におけるMMT誘導の解析方法の妥当性を検証するため、空間トランスクリプトーム解析を行う方針とした。空間トランスクリプトーム解析が実施可能となるまで、予算の使用を一時抑えた。本研究におけるMMTの解析には当初市販されていた1000遺伝子相当の解析では十分な情報が得られないため、以前から予定されていた6000遺伝子相当の発現をみるキットの販売を待ち、条件を検討する必要があった。

Strategy for Future Research Activity

空間トランスクリプトーム解析によりMMT誘導を証明する。また、MMTが誘導された中皮細胞とTリンパ球の共培養実験によるTregの誘導を確認する。以上の結果を踏まえ、論文にまとめる。

Causes of Carryover

空間トランスクリプトーム解析を行う計画に変更し、この解析が実施可能となる段階まで費用の使用を一時控えた。次年度に空間トランスクリプトーム解析および中皮細胞株とTリンパ球の共培養実験を行う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 大腸癌と胃癌の播種巣における中皮間葉転換の誘導と免疫抑制微小環境の形成2023

    • Author(s)
      渡部朱織,菊地良直,河村大輔,宇於崎宏
    • Organizer
      第112回日本病理学会総会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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