2022 Fiscal Year Annual Research Report
Clinicopathological analysis of RSPO fusion-positive colorectal carcinoma
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20K07382
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
橋本 大輝 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (40773875)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | RSPO / 大腸癌 / WNT |
Outline of Annual Research Achievements |
R-spondin標的薬剤の臨床応用にあたっては、病理検体を用いてRSPO融合陽性例を同定し、適応となる患者を見つけ出す必要があるが、現在までに効率的な検出法は確立されておらず、大腸癌におけるRSPO融合の検討は少数にとどまり、RSPO融合陽性大腸癌の臨床像や病理組織学的な特徴については不明な点が多かった。本研究では、当センターで保管している大腸癌の新鮮凍結標本(1019例)を対象に、RT-PCRでRSPO融合陽性例をスクリーニングし、同定されたRSPO融合陽性例について、全エクソーム解析により分子生物学的特徴を明らかにするとともに、臨床像病理学的特徴の解析を行った。大腸癌1019例の中から、29例(2.8%)のRSPO融合陽性例を同定した。fusion transcriptの内訳は、EIF3E-RSPO2融合 5例、PTPRK-RSPO3融合 24例であった。RSPO融合陽性大腸癌は女性に多く、(女性17 vs男性12)、約半数(13例、45%)は右側に存在していた(表1)。組織学的に、腫瘍の約半数(13/29、45%)において局所的または広範な粘液産生が認められた(図1)。この頻度はRSPO融合陰性例と比較してより有意に高かった(45% vs 13%;P = 8.1 × 10-7)。全エクソソーム解析により、計27例(93%)でKRAS、BRAF、NRAS変異が確認された。一方、主要なWNT経路遺伝子(APC、CTNNB1、RNF43)の病的変異は認められなかった。RSPO融合ステータスは、全生存期間や無再発生存期間に統計的に有意な影響を与えなかった。これらの臨床病理学的および遺伝学的特徴は、先行研究のプール解析でも確認された。以上より、RSPO融合陽性大腸癌は、複数の特徴的な臨床病理学的および分子生物学的的特徴を有する大腸癌の稀なサブグループを構成することが示された。
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Research Products
(1 results)