2021 Fiscal Year Research-status Report
非小細胞肺癌における免疫化学併用療法の新規治療効果予測・標的因子の病理学的探索
Project/Area Number |
20K07387
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齊藤 涼子 東北大学, 大学病院, 特任准教授 (30733349)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | PD-L1 / 肺癌 / 扁平上皮癌 / 核異型 / 粘液性腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年2020年度に行った肺扁平上皮癌における免疫組織化学的、遺伝子学的検討の結果は以下の通りである。核形不整の高度な細胞ではPD-L1の発現が高く、これらの群では、TCGAでの検討および宮城県立がんセンターの症例を用いた症例両方に共通してPLCH1、UGT3A1、GANCの変異が認められた。これらの結果を元に、PD-L1の発現に相関する因子としてPLCH1の遺伝子異常に着目した。2021年度は培養細胞を用いてPLCH1に着目した機能解析を行った。ヒト肺扁平上皮癌培養細胞株であるLK2に対し複数のsiRNAを用いてPLCH1のノックダウンを試みたが、まだ十分に成功しておらず現在も継続中である。 さらに、当初の予定に加えて、現在承認されている分子標的薬が乏しく免疫チェックポイント阻害薬の適応となりやすい粘液性腺癌についての検討を追加した。東北大学呼吸器外科にて切除された粘液性腺癌4例、前癌状態と考えられる化生性変化を有する非癌症例4例を用い、癌部と前癌状態を疑う背景上皮に対してNGSパネルを用いた遺伝子学的検討を行った。その結果、他臓器において免疫チェックポイント阻害薬のコンパニオン診断にも応用されているミスマッチ修復遺伝子の異常と発癌との関連を見出すことができた。以上より、粘液性腺癌についてもPD-L1の発現、核異型について、免疫チェックポイント阻害薬の観点から検討を行う意義を見出すことができたと考えられ、今後検討を継続していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最も重要なヒト組織を用いた免疫組織化学的検討、遺伝子学的検討を終えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
可能な限り培養細胞を用いたin vitroの検討を試みるが、少なくとも現在得ているヒト組織を用いた免疫組織化学的検討、遺伝子学的検討の結果を今年度中に論文化する。
|
Causes of Carryover |
2022年度の研究費として使用予定。
|