2020 Fiscal Year Research-status Report
SLCトランスポーターの免疫組織化学染色による食道癌術前化学療法の効果予測
Project/Area Number |
20K07391
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鴨志田 伸吾 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (70351020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 宏 藤田医科大学, 医学部, 教授 (40367719)
大崎 博之 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (80438291)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食道癌 / 術前薬物療法 / 効果予測 / SLCトランスポーター / 免疫組織化学染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
計11種類のSLCトランスポーターを検討する計画であったが、さらに3種類を追加することにした。市販抗体を入手し、至適染色条件を検討した。すべてのSLCトランスポーターについて、加熱処理による抗原賦活化が必須であったが、最適な抗原賦活溶液は抗体ごとに異なっていた。また、うち7種類については、通常(2ステップポリマー法)よりも高感度な方法(3ステップポリマー法)を使用する必要があった。しかし、OATP1B1については、残念ながら高感度法でも検出不可能であった。すべての抗体(最終的には計13種類)について、細胞膜(抗体によっては細胞質も)に局在することが確認された。 研究対象症例としては、cisplatin(CDDP)/5-fluorouracil(5-FU)ないしdocetaxel(DTX)/CDDP/5-FUによる術前薬物療法を施行した食道癌(CDDP/5-FU群:32例、DTX/CDDP/5-FU群:14例の計52例)が選出された。組織学的効果判定基準のGrades 1b・2・3を反応群、Grades 0・1a を非反応群に分類した。薬物療法前生検材料に対して、CDDPの取込みを担うとされているCTR1、OCT1、OCT2およびOCT3、5-FUを取込むことが報告されているOAT2およびENT1の免疫組織化学染色を実施した。残念ながら、6年以上前に作製されたパラフィンブロック標本(14例)では、OCT1以外の抗原性が著しく減弱していた。残る38例を対象に解析を行うと、CTR1高発現は反応群の3例(50%)、非反応群の2例(6.3%)に認められ、CTR1高発現率が反応群で有意に高かった(P=0.021)。しかし、全体的にCTR1スコアは低く、また組織学的効果が顕著な症例はCTR1陰性であったことから、CTR1単独による効果予測の精度は不十分と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3(2021)年度に実施する計画だった、CDDPおよび5-FUの取込みに関与するSLCトランスポーターの免疫組織化学染色および一部の解析を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究の進行に遅れが生じないよう、計画的に実験・解析を進めていく。SLCトランスポーターのみでは感度・特異度が十分でない場合は、他マーカー(たとえば、アポトーシス関連蛋白)を加えた検討を行う。
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Causes of Carryover |
・理由 生じた次年度使用額では、本研究で使用する試薬の購入に足りなかったため。 ・使用計画 翌年度分として請求した助成金と合わせて、試薬購入にあてる。
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Research Products
(1 results)