2021 Fiscal Year Research-status Report
SLCトランスポーターの免疫組織化学染色による食道癌術前化学療法の効果予測
Project/Area Number |
20K07391
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鴨志田 伸吾 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (70351020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 宏 藤田医科大学, 医学部, 教授 (40367719)
大崎 博之 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (80438291)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食道癌 / 術前薬物療法 / 効果予測 / SLCトランスポーター / p53 / 免疫組織化学染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
パラフィンブロック長期保管の影響を受けなかったOCT1について解析すると、反応群の54.5%、非反応群の37.5%が高発現であった。治療レジメン別にみると、CF群では反応群の62.5%、非反応群の44.8%、DCF群では反応群の33.3%、非反応群の18.2%がOCT1高発現を示した。反応群でOCT1高発現率が高かったが、統計学的に有意ではなかった。次に、DCF群を対象としてOATP1A2およびOATP1B3の発現を検討したが、すべての症例でOATP1A2高発現、OATP1B3低発現であった。以上から、SLCトランスポーターのみでは食道癌術前薬物療法の効果を予測するのは難しいと考えられた。 さらにCNT1、OAT1、OCT6およびOCTN2の発現についても解析した。CNT1高発現は反応群の18.2%、非反応群の22.5%に認められた(有意差なし)。他3種のトランスポーターはほぼすべての症例で低発現であった。したがって、SLCトランスポーターの発現に基づいて、非反応群に有効性が期待される殺細胞性薬剤を推定するのは困難と考えられた。 食道癌術前薬物療法の効果は薬剤トランスポーターのみに依存しているわけではないことが示唆されたため、DNA障害性抗癌剤によるアポトーシス誘導に重要な役割を果たすp53の免疫組織化学染色も実施し、p53の発現パターンからのアプローチも加えることにした。p53変異型発現を示す症例は非反応群に有意に多かった。p53とOCT1を組合せると、p53変異型発現またはOCT1低発現を示す症例はより強い有意性をもって非反応群に多く、p53/OCT1組合せは唯一の独立予測因子であった。以上から、食道癌におけるp53変異型/OCT1低発現のパターンは術前薬物療法の抵抗性予測因子である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に組み込んだ課題をほぼ遂行できている。食道癌におけるp53変異型/OCT1低発現のパターンが術前薬物療法の抵抗性予測因子である可能性を示した成果は、英文原著論文としてオープンアクセスジャーナルに掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究の進行に遅れが生じないよう、計画的に実験・解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
・理由 生じた次年度使用額では、本研究で使用する試薬の購入に足りなかったため。 ・使用計画 翌年度分として請求した助成金と合わせて、試薬購入にあてる。
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