2022 Fiscal Year Annual Research Report
SLCトランスポーターの免疫組織化学染色による食道癌術前化学療法の効果予測
Project/Area Number |
20K07391
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鴨志田 伸吾 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (70351020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 宏 藤田医科大学, 医学部, 教授 (40367719)
大崎 博之 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (80438291)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食道癌 / 術前薬物療法 / 効果予測 / SLCトランスポーター / PD-L1 / 免疫組織化学染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
食道癌に対しても免疫チェックポイント阻害薬が使用されているが、殺細胞性抗癌剤との併用投与により奏効率が高まることが十分に期待される。したがって、今年度はprogrammed cell death-ligand 1(PD-L1)の免疫組織化学染色を実施し、solute carrier(SLC)薬剤取込トランスポーター群の発現パターンと照合することによって、免疫チェックポイント阻害薬との併用にはどの殺細胞性抗癌剤が適しているか考察することを目的とした。 当初はクローン22C3およびクローン28-8の抗PD-L1抗体を用いた免疫組織化学染色を外部委託する予定であった。しかしながら、計画よりも委託料が高額であったため、代替としてクローンSP142およびクローンE1L3Nの抗PD-L1抗体を購入し、外部委託せずに(自施設で)免疫組織化学染色を行った。食道癌細胞と腫瘍内免疫細胞それぞれについてPD-L1の発現レベルを評価した。PD-L1陽性細胞率が5%以上の場合をPD-L1陽性と判断した。 薬物療法前生検材料を対象として、SLCトランスポーター群とPD-L1の発現に相関性があるか否かを検討した。また、PD-L1発現と術前薬物療法の組織学的効果および患者予後との関連性についても解析した。 結果として、残念ながらPD-L1と有意な相関を示すSLCトランスポーターは見出されなかった。また、PD-L1発現は術前薬物療法の組織学的効果、無再発生存期間および全生存期間のいずれとも関連していなかった。すなわち、免疫チェックポイント阻害薬との併用に適している殺細胞性抗癌剤の推定には至らなかった。
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