2022 Fiscal Year Annual Research Report
ランゲルハンス細胞組織球症―NGSを用いたsmall RNAの網羅的解析―
Project/Area Number |
20K07393
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
村上 一郎 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 教授 (80548701)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ランゲルハンス細胞組織球症 / RNA解析 / ncRNA解析 / miRNA解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)は、腫瘍性疾患なのか反応性疾患なのか、長い間議論の対象であったが、我々は LCH は腫瘍性疾患であり反応性疾患であると考えており、嘗て腫瘍性疾患と主張していたグループも inflammatory hematopoietic neoplasm なる表現を用いるようになって来ている。 我々は、IL-17 エンドクラインモデル、IL-1 ループモデル等の論文報告を通じて、「腫瘍原性形質を有する異常ランゲルハンス細胞が何らかのトリガーに過剰反応した疾患」という LCH 発症モデルを報告してきた。なお、ストレス刺激の一つの要因として、メルケル細胞ポリオーマウイルスが関与している可能性を示し、それに基づいて提唱した IL-1 ループモデルは、血液腫瘍の WHO 分類に関する書籍(WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid tissues Revised 4th Edition、2017 年発刊)に於いて、etiology として引用されている。 かつて、平成 23-25 年、平成 26-28 年度及び平成 29-31 年度の科学研究費補助金を受けた研究に於いて、LCH 亜型間で有意差のある血清タンパク及び RNA を質量分析及び次世代シーケンサーにて探索、同定した。その成果として得られた血清の質量分析器による検討結果(IL-6 に反応して肝細胞が産生する急性相蛋白質の一つである 血清 ITIH4 レベルと亜型に相関あり)等も考慮し、新たな LCH 発症モデル(遺伝子異常等の腫瘍性側面、ストレス刺激と言う炎症性側面及びそれらに対する反応の面から成るトリプルファクターモデル)を提唱してきているところであるが、おおむね、そのストーリーに矛盾しないデータが得られた。
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