2022 Fiscal Year Research-status Report
卵巣明細胞癌の抗癌剤耐性関連新規バイオマーカー:EBP50の同定とその機能解析
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20K07397
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
松本 俊英 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (10623184)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 卵巣明細胞癌 / プロテオミクス / EBP50 / PARP1 / 抗癌剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はEBP50(Ezrin-radixin-moesin-binding phosphoprotein-50)とPARP1の結合証明及び機能解析に着手した。 前年度の免疫沈降法とショットガンプロテオミクス法を組み合わせた実験結果より、EBP50とDNA修復酵素であるPARP1分子が結合する可能性が示唆された。改めてEBP50細胞質発現を示す卵巣明細胞癌細胞株OVISEで免疫沈降及びWestern blot法により解析したところ、両者の結合を示すバンドが得られた。また、GSTタグ融合タンパク質を作製し、Pull-down assayを実施したところ、EBP50のPDZ1ドメインがPARP1と結合部位であることが明らかとなった。さらに、病理検体を用いた蛍光二重染色においても同様の結果が得られた。 次にOVISE細胞を用いて、抗癌剤(CDDP及びPTX)処理後にタンパク質を細胞局在毎に分画しWestern blotを行ったところ、EBP50は抗癌剤刺激により核内へ移行することが明らかとなった。 また、EBP50がPARP1と結合する意義について検討したところ、EBP50ノックダウン系細胞においては、clearved PARP1の増加及びDNA修復能が低下することが分かった。以上より、EBP50はPARPのタンパク質発現安定化及び活性化維持に関与していることが示唆された。 次年度は、臨床検体を用いた証明と予後への影響について解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
EBP50の結合パートナーとしてPARP1の同定に成功したが、その機能解析について実験手法の検討及びその解釈に時間を要してしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度、EBP50とPARP1の結合についてin vitroに証明することができた。次年度は、臨床検体を用いた発現意義、臨床病理学的因子への関与、予後への影響について解析する。
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Causes of Carryover |
EBP50とPARP1の結合意義についての解析が必要となったため
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