2020 Fiscal Year Research-status Report
Molecular analysis of duodenal carcinogenesis
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20K07401
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
関根 茂樹 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (10321879)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 十二指腸 / 発癌過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
国立がん研究センター中央病院において、腺腫性病変約100例、浸潤癌約40例の十二指腸腫瘍を蒐集し、組織学的検討を開始した。組織学的な見直しを行う中で、腺腫+浸潤癌、異所性胃上皮+腺腫などの腫瘍の進展の異なる段階を含む病変を抽出している。多様性のある十二指腸腫瘍をより客観的に分類するため、胃上皮および腸上皮のマーカーに対する免疫染色を行い、組織学的分類との相関を検討している。非浸潤性病変に関しては、WHO分類でも認められている腸型腺腫、幽門腺腺腫については免疫組織化学的所見は組織分類と良く相関していた。一方、これら既存の分類に当てはまらない病変も一定数認められ、今後の検討課題と考えられた。浸潤癌については非浸潤性病変と比較して類型化が難しく、近年提唱されている、胃型・腸型腫瘍という分類の再現性や有効性についても検討していきたい。また、特に腺腫を伴う腺癌などの段階的な腫瘍発生過程を解析可能な病変の解析を詳細に行なっていく予定である。 十二指腸癌発生の経路を分子病理学的手法を用いて明らかにするため、次世代シークエンサーを用いた変異解析を行なっている。ホルマリン固定パラフィン包埋標本からDNAを抽出し、十二指腸癌において高頻度に変異の認められる遺伝子を対象とした解析を進めていく予定である。特に十二指腸癌は希少腫瘍であるため、より多数の症例を解析するために比較的古い検体の解析も試みているが、核酸の質が低下した検体が多く、より重要な遺伝子に限定した解析を考慮する必要があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例集積と検体収集は順調に進んでおり、予定の遺伝子変異検索を開始している。現在、核酸保持の状態の悪い検体の解析をどのように進めていくか検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
予定に従って、組織学的解析および分子病理学的解析を進めていく。希少な病変であるため、症例数を増やすために、核酸保持状態の悪い検体の解析方法の検討を進めるとともに、他施設からの検体を加えて検討することとしたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は67,501円と少額である。引き続き物品の適切な購入に充てる予定である。
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