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2021 Fiscal Year Research-status Report

タイト結合のジスルフィド結合を介した機能調節:酸化還元シグナルの入り口として

Research Project

Project/Area Number 20K07402
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

田中 敏  北海道大学, 医学研究院, 特任准教授 (30374250)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsタイト結合 / occludin / ジスルフィド結合 / redox / thioredoxin
Outline of Annual Research Achievements

今年度はoccludinに含まれる7か所のシステイン(Cys)のうち、膜貫通領域にあるCys76、Cys82、Cys148についてoccludin-FLAG、GFP-occludinの野生型やCys変異型を用いて、さらに検討した。まず、SH基修飾試薬が膜貫通部分のSH基を修飾できるかの確認のため、膜貫通領域に余分なCysを付加したところ、SH基の修飾が確認され、膜貫通部分にある3か所のCysは安定したジスルフィド結合(S-S結合)を持つことが分かった。Occludinのビオチン標識を利用した検討では、細胞表面に変異型occludinが存在することが確認された。ただし、野生型に比して細胞膜に存在する割合がやや減少していた。GFP-occludinを用いて蛍光顕微鏡で観察した検討でも同様の結果が得られ、膜貫通領域のS-S結合が膜への移動に関連していることが示唆された。しかし、C末側細胞内ドメインを除去したoccludinを作成し、膜貫通領域のCys変異と細胞膜への移動を検討すると、野生型に比べてCys変異型が細胞膜に多く存在することが認められ、S-S結合と細胞内ドメインにより、occludinの膜への移動が制御されていることが示唆された。
さらにC末側細胞内ドメインを除去したoccludinについて、細胞外ループのCys(Cys216およびCys237)を変異させると、細胞表面には二次修飾を受けたoccludinが多く存在することが示され、以前の結果との整合性が得られた。
また細胞増殖の検討で、ユビキチンE3リガーゼITCH認識部位を変異させたoccludinを発現する細胞は、野生型に比べ細胞密度が高い状態では増殖が遅くなり、コンフルエントに達した後でも細胞が死にくい傾向があった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

新たな変異型occludin発現ベクターを構築し、各々のCysのS-S結合の有無を再確認できた。またC末側細胞内ドメインの機能検討を加えたことにより、S-S結合がoccludinの細胞内分布に関わることが示され、細胞内シグナルに何らかの影響を及ぼす可能性が見いだされた。さらに、occludinの二次修飾が細胞内分布に関わる事も分かった。ただし、occludinの安定性と細胞増殖などの影響についての検討がやや遅れている。以上を総合すると、おおむね順調であると判断した。

Strategy for Future Research Activity

今後、occludinをノックアウトさせた細胞株を用いた検討を行う。とくに細胞増殖への影響が明瞭に示されることが期待できる。細胞増殖の変化が確認出来たら、細胞内シグナル経路の発現量変化を検討する。
二次修飾の検討は、リン酸化やユビキチン化について、occludin発現ベクターの変異、特にC末側細胞内ドメイン欠損occludinを利用して行う予定である。
さらに、Cys409、Cys500の機能についても、Cys変異occludinやC末側細胞内ドメイン欠損occludinを利用して検討を加える予定である。このことにより、とくに細胞内シグナルへの影響が見いだされることが期待される。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] タイト結合膜蛋白occludinは膜貫通領域にジスルフィド結合をもつが、細胞内分布には大きな変化を与えない2021

    • Author(s)
      田中 敏
    • Organizer
      第44回日本分子生物学会年会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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