2023 Fiscal Year Annual Research Report
膵がんの線維形成性間質不均一の臨床病理学的意義およびその形状に係る分子機構の解明
Project/Area Number |
20K07414
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
眞杉 洋平 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90528598)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵がん |
Outline of Annual Research Achievements |
膵がん組織には、腫瘍細胞の数倍もの間質成分が混在し、それらは互いに密接に関わりつつがんの進展に寄与する。近年、膵がん腫瘍間質包括的に標的とした新規治療略の開発が試みられ、成果を上げつつある。本研究では、膵がん線維性間質不均一の特徴化ならびに臨床病理学的意義の解明、膵がん線維芽細胞不均一を形状する分子機構の解明により、膵がんにする間質療法の実用化や個別化への展開の道標となる成果が得られた。 本研究の主な成果として、膵癌切除病理組織の多重免疫染色を行うことにより、線維芽細胞にはACTA2ならびにFAPタンパク発現で相互排他的に特徴づけられる2種類の線維芽細胞サブタイプが存在することを視覚的および定量的に示した(Ogawa Y, Masugi Y, et al. Clin Cancer Res 2021)。さらに、膵癌におけるTリンパ球浸潤や3次リンパ組織と、これら線維芽細胞サブタイプとの関連について検討したところ、膵癌における免疫抑制が特にFAP陽性線維芽細胞と関連が深いことが明らかとなった。また、膵癌の予後を層別化する間質タイプを提唱した。一方、ACTA2陽性線維芽細胞サブタイプの誘導には、特にTGFbetaシグナル活性化が重要であり、ヒト膵癌微小環境においてACTA2陽性線維芽細胞サブタイプが膵癌腺管を取り囲む特徴的空間分布の形状に寄与することが示唆された。得られた研究成果については、邦文及び英文にて複数の総説(眞杉. 肝胆膵 2024; Masugi Y. Cancers 2022等)や学会発表(Masugi Y. 35th European Congress of Pathology 2023等)を通じて国内外に公表した。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Post‐operative mortality and recurrence patterns in pancreatic cancer according to KRAS mutation and CDKN2A, p53, and SMAD4 expression2023
Author(s)
Masugi Y, Takamatsu M, Tanaka M, Hara K, Inoue Y, Hamada T, Suzuki T, Arita J, Hirose Y, Kawaguchi Y, Nakai Y, Oba A, Sasahira N, Shimane G, Takeda T, Tateishi K, Uemura S, Fujishiro M, Hasegawa K, Kitago M, Takahashi Y, Ushiku T, Takeuchi K, Sakamoto M
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Journal Title
The Journal of Pathology: Clinical Research
Volume: 9
Pages: 339~353
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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