2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K07422
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
国田 朱子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (50608768)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オルガノイド / 胃癌 / 腸上皮化生 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は胃癌手術検体から樹立した非癌部オルガノイドを用いてピロリ菌感染実験とエレクトロポレーション法及びレンチウイルスを用いた遺伝子導入またはノックアウト、腸上皮化生オルガノイドの樹立を行なった。ピロリ菌感染実験は非癌部オルガノイド樹立後細胞を分散しマトリゲルコートプレート上に単層培養下で実施した。抗ピロリ菌抗体による染色で陽性が確認でき、感染成立が認められ論文発表を行なった(Imai et al 2021)。一方3次元培養下では感染成立が認められなかった為、ピロリ菌感染に適した培養法の検討を引き続き行う。エレクトロポレーション法及びレンチウイルスを用いた方法による遺伝子導入実験は、胃発癌モデルとしてのオルガノイドの活用に重要である。各種遺伝子導入後作製したセルブロックに対して免疫染色を実施し、導入遺伝子のタンパク発現を確認した。またエレクトロポレーション法によりノックアウトを行った。しかし2週間以上培養を継続すると細胞の増殖能が低下し、オルガノイドのクローニング中に死滅した。今後導入遺伝子を発現またはノックアウトしたクローン樹立のため、培養法の検証を行う。 また胃癌手術検体より腸上皮化生部位を採取し、腸上皮化生オルガノイドの樹立を試みた。2週間程度培養後セルブロックを作製し組織を観察すると腸上皮化生は認められず腺下上皮の細胞が濃縮されてオルガノイドを形成していると考えられた。作製したセルブロックでもCDX2は陰性であり腸上皮化生の細胞が維持されていないと考えられた。現在腸上皮化生からオルガノイドを樹立するためのプロトコルを改良に取り組んでいる。引き続き樹立法、培養法を検証し腸上皮化生オルガノイドの樹立を目指し胃発癌における腸上皮化生の寄与について検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胃オルガノイドのピロリ菌感染実験に成功した。またエレクトロポレーション法やレンチウイルスを用いた方法による遺伝子導入やノックアウトも成功した。導入した遺伝子により増殖に影響を与え長期培養が困難な状況であるが、培地を改良する事で改善が見込まれる。腸上皮化生オルガノイド樹立についても通常の背景胃上皮と同じプロトコルでは腺下上皮のみが濃縮されることが判明し、樹立法と培地を改良する事で樹立することができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き非癌部オルガノイドへ遺伝子導入、ノックアウトを行い得られたオルガノイドの特性解析に取り組む。具体的には形態・マーカー発現解析、ゲノム、エピゲノム異常解析を行う。また腸上皮化生オルガノイドの樹立と特性解析を行う。遺伝子導入やノックアウト後のオルガノイドをマウスへ皮下移植しXenograftの作製を行い形態、マーカー発現解析を行う。腸上皮化生オルガノイドの樹立に成功した場合は、さらに遺伝子導入やノックアウトを行い胃癌形成へ進展するか解析を行う。腸上皮化生オルガノイドについてもXenograft作製を行い、in vivoで腸上皮化生が維持されるか、またXenograftの組織の形態観察を行う。
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Causes of Carryover |
今年度計画していたマウス皮下移植が次年度に延期となった為マウス購入予定費を次年度に繰り越した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Helicobacter pylori CagA Induces BRCAness that Elicits Genome Instability Underlying Bacterial Hit-and-Run Gastric Carcinogenesis2021
Author(s)
Satoshi Imai,Takuya Ooki, Naoko Murata-Kamiya, Daisuke Komura, Kamrunnesa Tahmina, Weida Wu, Atsushi Takahashi-Kanemitsu, Christopher Takaya Knight, Akiko Kunita, Nobumi Suzuki, Mayo Tsuboi, Masahiro Hata, Yoku Hayakawa, Naomi Ohnishi, Koji Ueda, Masashi Fukayama, Tetsuo Ushiku, Shumpei Ishikawa, Masanori Hatakeyama
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Journal Title
Cell Host & Microbe
Volume: -
Pages: -
Peer Reviewed
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