2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K07422
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
国田 朱子 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (50608768)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オルガノイド / 胃癌 / 腸上皮化生 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き胃癌手術検体から非癌部、腸上皮化生及び癌部からオルガノイドを樹立した。またオルガノイドへの遺伝子導入法としてこれまで主としてエレクトロポレーション法を使用してきたが、パルス後の細胞のダメージが大きく増殖能等の検証に適切でない事から、より細胞への毒性が低いレンチウイルスによる導入法の確立を行った。通常培養法である三次元培養法でのレンチウイルスによる遺伝子導入法では導入効率が低く、最適化が困難であった為、二次元培養下での導入方法に切り替え、独自の方法により、おおむね20%の導入効率が達成できた。このプロトコルを用いてCDX2の導入、TP53及びAPCのノックアウトを実施した。CDX2発現胃オルガノイドの樹立の為、GFP発現CDX2を導入し、フローサイトメーターによりGFP陽性の細胞群を分取しCDX2発現株を樹立した。今後CDX2発現胃オルガノイドをSICDマウス皮下へ移植しxenograftを作製し、腸上皮化生様の形態が認められるか検証する。また現在TP53及びAPCのノックアウトクローンの樹立を行なっている。CDX2導入とTP53及びAPCノックアウトを組み合わせることにより、胃発癌モデル完成を目指す。 腸上皮化生特性解析(モデル作成。胃発癌・進展機構、ゲノム、エピゲノム変化解析)については、これまで本研究で腸上皮化生から樹立したオルガノイドはCDX2陰性で腸上皮化生が維持されていないと考えられたが今年度は腸上皮化生より樹立したオルガノイドで2週間以上CDX2発現が保持されているものの樹立に成功した。現在腸上皮化生オルガノイドの発現プロファイルやゲノム、エピゲノム変化、増殖能、発癌への寄与について特性解析を進めている。今後胃癌の発癌・進展を制御する因子の探索と予防および治療への応用に向けた検討を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オルガノイドへの遺伝子導入、遺伝子編集方法としてエレクトロポレーション法からレンチウイルスによる導入法へ変更し、レンチウイルスによる遺伝子導入法のプロトコルの最適化に時間を要した。文献上でもレンチウイルスによるオルガノイドへの遺伝子導入効率は低いことが報告されており、独自のプロトコルを樹立する必要があった。また腸上皮化生オルガノイドの樹立もプロトコルの最適化に難航し完成に時間を要した。どちらもプロトコルの最適化が達成でき、今後は本手法を用いた検証を加速して進める。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き胃癌手術検体から非癌部、腸上皮化生、癌部のオルガノイドを樹立する。癌部は特に早期癌、びまん型胃癌、EBウイルス関連胃癌、AFP産生胃癌のオルガノイド樹立を試みる。腸上皮化生オルガノイド及び胃の非癌部オルガノイドにCDX2を導入したCDX2発現オルガノイドの形態やゲノム、遺伝子発現、エピゲノム解析を実施し腸上皮化生の特性解析を進める。さらに腸上皮化生オルガノイド及びCDX2発現オルガノイドにTP53またはAPCをノックアウトしたオルガノイドを樹立し発癌への影響を検証する。
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Causes of Carryover |
最終年度の次年度は今年度以上のマウス移植実験を計画しており使用額の増加が見込まれる為。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] KRAS variant allele frequency, but not mutation positivity, associates with survival of patients with pancreatic cancer2022
Author(s)
Suzuki T, Masugi Y, Inoue Y, Hamada T, Tanaka M, Takamatsu M, Arita J, Kato T, Kawaguchi Y, Kunita A, Nakai Y, Nakano Y, Ono Y, Sasahira N, Takeda T, Tateishi K, Uemura S, Koike K, Ushiku T, Takeuchi K, Sakamoto M, Hasegawa K, Kitago M, Takahashi Y, Fujishiro M
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Journal Title
Cancer Science
Volume: -
Pages: -
Peer Reviewed / Open Access
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