2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of pathogenesis of cytokine release syndrome by cancer immunotherapy in normal immunity mice and development of new treatment
Project/Area Number |
20K07426
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
岡山 哲也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30636535)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サイトカイン放出症候群 / がん免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
非常に強力ながん免疫療法の開発により、進行がんであっても完治を目指すことの出来る新時代を迎えたが、治療による副作用も強力になっており、その最たるものは、サイトカイン放出症候群(Cytokine ReleaseSyndrome; CRS)と呼ばれるもので、しばしば致死的となる。その病態把握や治療法開発は、動物実験モデルでの詳細な検討が必要であるが、現時点では、重度の免疫不全マウスを用いたモデルでの検討しか存在しない。我々は、がん免疫療法の効果増強の基礎的検討過程において、偶然にも免疫不全マウスでは無く、正常免疫マウスでのがん免疫療法によるCRS自然発症と思われる動物実験モデルを発見した。 がん免疫療法によるCRS自然発症動物実験モデルは、Balb/cマウスにColon26マウス大腸癌細胞株を皮下移植し、その後、マウス脾臓より分離したNK細胞を2回腫瘍局所投与することで2回目投与時にCRSと思われる病態を発症するモデルであり、2回投与による致死率は80~100%と非常に高率である。 2回投与後の致死に至るまでに摘出した各種臓器(脳、心臓、肺、肝臓、腎臓、脾臓)についてHE染色などによる検討を行ったが、各臓器には著明な炎症細胞浸潤や、臓器の著明な損傷所見は認めなかったため、予想通り、このモデルにおける致死に至る原因として、NK細胞投与に伴う各種免疫細胞の相互作用などによるサイトカインの関連が示唆された。 サイトカインの検討について、各臓器摘出と同時に2回投与後の致死に至るまでの間に採取した血清を31種のサイトカインを測定するマルチプレックスにて測定を行い、解析を行ったところ、CCL1、CCL7、CCL24のサイトカインが中心的な役割を担っている可能性が示唆された。 今後、この結果を元に、阻害実験などを行い、更なる病態解明や、新規治療法開発へと繋げていきたいと考えている。
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