2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analytical study of infiltrating advanced extracellular matrix microenvironment (niche) of glioma
Project/Area Number |
20K07429
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
デベガ スサーナ 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (30623590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 保典 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (00115221)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 神経膠腫 / 細胞外マトリックス / フィビュリン-7 / 組織内微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経膠腫(グリオーマ)は、強い浸潤能と過剰な血管新生を伴う頻度の高い原発性脳悪性腫瘍であり、神経膠腫細胞浸潤には細胞外マトリックス(Extracellular matrix = ECM)の改変が必須である。本研究では、特異なECM分子であるFibulin-7(Fbln7)とヒアルロン酸分解酵素であるHYBID(Hyaluronan binding protein involved in hyaluronan depolymerization)の神経膠腫組織での発現と神経膠腫細胞浸潤における役割の解明を目的としている。ヒト神経膠腫組織の免疫染色の結果、Fbln7は膠芽腫や退形成性星細胞種の腫瘍細胞の一部で発現しており、特に浸潤先端部の腫瘍細胞がしばしば強く発現し、Fbln7の発現は膠芽腫細胞株においても確認された。膠芽腫細胞株を用いたスクラッチアッセイでは、Fbln7上での細胞移動能促進が証明された。Fbln7上での培養では膠芽腫細胞株はより紡錘形の形態を示し、F-actin、vinculin、 FAKに対する抗体を用いた蛍光抗体法ではfocal adhesion形成など運動能亢進に対応する所見が得られた。これらのデータから、Fbln7は膠芽腫細胞の浸潤促進作用を有する可能性が示唆された。一方、HYBIDは主として神経膠腫浸潤先端部の細胞に局在することが明らかとなり、HYBIDとグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)に対する抗体を用いた二重蛍光抗体法により、HYBIDは主としてアストロサイトで発現することが証明された。また、HYBID発現は正常アストロサイト(NHA;Lonza社)でも陽性を示した。今後、アストロサイトによるHYBID発現調節機構や神経膠腫でのヒアルロン酸分解作用の証明が必要と考えられる。
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