2022 Fiscal Year Annual Research Report
変異型KRASによる腫瘍化を抑えるがん抑制遺伝子の同定(膵臓がんへの関与)
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20K07436
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Research Institution | Miyagi Prefectural Hospital Organization Miyagi Cancer Center |
Principal Investigator |
佐藤 郁郎 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), ティッシュバンクセンター, 部長 (50225918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島 礼 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 部長 (10196462)
山下 洋二 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (30420045)
加藤 浩之 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 共同研究員 (90770347)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膵がん / Kras / Trp53 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵臓癌の95%を含む、ヒトの全がん種の30%以上は、RASファミリー遺伝子の変異によって引き起こされる。変異型RASの働きを抑える薬剤はいまだ作り出されていない。最近、興味深いことに、変異原メタンスルホン酸エチル(EMS)を用いたショウジョウバエでの遺伝学的スクリーニングにより、PP6遺伝子Ppp6cの欠損が癌性RASと協調して腫瘍細胞の増殖と浸潤を誘導することが確認され、Ppp6cがRAS関連がんの腫瘍抑制因子として機能する可能性が示唆されていた。 我々は、タモキシフェン(TAM)依存的に活性化されるCREにより、膵臓特異的にKP変異(K-rasG12D発現+Trp53欠損)を引き起こすマウス(cKPマウス)を作製した。そのcKPマウスにPP6遺伝子(Ppp6c) floxedマウスを交配させ、 Ppp6cホモ欠損型のcKPマウス(cKP(F/F)) 、Ppp6cヘテロ欠損型のcKPマウス(cKP(F/+)) 、およびPpp6c野生型のcKPマウス(cKP(+/+)) を作製した。これらマウスに、母乳を介してTAMを投与し、膵臓特異的に、K-rasG12D発現、Trp53欠損、Ppp6c欠損が起こることを確認し、Ppp6c欠損の膵腫瘍発生に及ぼす影響を調べた。cKP(F/F) マウスは、変異誘発後150日以内に全てのマウスにおいて、膵腫瘍を発症し衰弱して死亡したが、cKP(F/+) マウスやcKP(+/+) では、150日以内の死亡は認められなかった。膵腫瘍発生メカニズム解明のため、変異誘発後30日目のcKP(F/F) のトランスクリプトームを、cKP(F/+) のそれと比較した。Ppp6cホモ欠損型ではMAPKおよびNFκBシグナル伝達経路の著しい活性化を示す遺伝子発現が認められた。次に、変異誘発後80日目における腫瘍発生に関して検討した。cKP(F/F) の膵臓では、cKP(F/+) のそれと比較して、腫瘍の数と大きさ、前癌病変の数が有意に増加した。cKP(F/F)の膵臓で認められた腫瘍は、病理学的にはEMTを起こした浸潤性膵管癌(PDAC) と診断された。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] PP6 deficiency in mice with KRAS mutation and Trp53 loss promotes early death by PDAC with cachexia-like features.2022
Author(s)
Fukui K, Nomura M, Kishimoto K, Tanuma N, Kurosawa K, Kanazawa K, Kato H, Sato T, Miura S, Miura K, Sato I, Tsuji H, Yamashita Y, Tamai K, Watanabe T, Yasuda J, Tanaka T, Satoh K, Furukawa T, Jingu K, Shima H
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Journal Title
Cancer Sci.
Volume: 113(5)
Pages: 1613-1324
DOI
Peer Reviewed / Open Access