2020 Fiscal Year Research-status Report
Molecular dynamics of TDP-43 and oxidized RNA in ALS pathogenesis
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20K07439
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
呂 軍 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 上級研究員 (40507498)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / RNA結合タンパク質 / グアニン四重鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
RNA結合タンパク質TDP-43 (TAR DNA-binding 43kDa protein)は筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者全体の9割以上で異常が見つかっている責任タンパク質である。近年、TDP-43がグアニン四重鎖と呼ばれる非標準型RNA立体構造を持つmRNAと特異的に結合し、局所翻訳のための輸送を担う事が報告された。しかし、先行研究では家族性及び孤発生ALS変異の多くはグアニン四重鎖RNAとの相互作用が低下していると推定される一方で、何故若年では発症に至らず、加齢によりリスクが高まるかは解っていない。本研究は、TDP-43が持つRNA立体構造認識の分子機構とその破綻の分子メカニズム解明を目的とし、加齢により増加する“酸化型RNA”が輸送と局所翻訳に及ぼす影響を解析する。これまでALSとグアニン四重鎖RNAの酸化に関する研究例はほとんど無く、ALS発症に関する新たな見知が得られる可能性が高い。加えて本研究の成果は新規作用機序を有する医薬候補化合物の創成にも直結すると期待できる。 また、TDP-43同様、ALS関連RNA結合タンパク質FUS(fused in sarcoma)もグアニン四重鎖RNAの特異的認識活性を持つ代表的なタンパク質で、その機能解析も行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンにおけるタンパク質凝集体の蓄積を特徴とする神経変性疾患である。ALS患者における遺伝子変異に関する最近の発見は、ALSの根底にある複雑な分子メカニズムの研究を促進してきました。TDP-43同様、ALS関連RNA結合タンパク質(RBP)の一つ、FUS(fused in sarcoma)は、グアニン四重鎖(G4)-DNA / RNAの特異的認識活性を持つ代表的なタンパク質である。精製された全長FUSタンパク質を用いて、複数の機能性モジュールで構成されるマルチドメイン構造の分子メカニズムを分析した。そこで、FUS凝縮液形成の液液相分離(LLPS)と、それに続くFUS凝集体の形成につながる液相固相転移(LST)の観察に成功した。このプロセスは、FUSとグアニン四重鎖RNAの相互作用によって著しく促進された。グアニン四重鎖RNA依存性LLPSおよびLST経路の調節は、G4-RNA認識に欠陥のある8つのALS関連FUS変異体すべてで失われ、このプロセスにおけるG4-RNAの重要な役割をサポートしている。注目すべき点は、若年性ALSを引き起こす変異P525Lは、グアニン四重鎖RNA結合とFUS凝集の両方に最大の影響を示した。このことは、ALS病因の複雑な経路におけるタンパク質凝集とRBPの機能不全との間の、これまで定義されていない関係の解決への手がかりを提供する可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
初代培養神経細胞を用いたmRNA輸送・局所翻訳解析 8-oxoguaninがグアニン四重鎖の立体構造と輸送及び局所翻訳にどの様に関与するのか、神経細胞内で確認する。酸化ストレスを与えた際のmRNAの移動を初代培養の神経細胞で観察し、局所翻訳されるタンパク質の発現や局在も、蛍光イメージングで解析、グアニン四重鎖への8-oxoguanin取り込み効率とmRNA輸送・局所翻訳効率を比較解析する。酸化ストレスはH2O2及びMenadioneを一定時間、培地に添加する事によって付与する。mRNAの局在はin situハイブリダイゼーション法のみでなく、生きたままで微速度撮影(タイムラプス)解析する場合は、mRNAに特異的な検出タグとして、MS2結合配列を挿入し、特異的に結合するMS2タンパク質に融合させた蛍光タンパク質を使用する。また、グアニン四重鎖の検出には特異的抗体(GB4)を用いる。加えて局所翻訳された分子やシグナルの変化も主に蛍光イメージングで観察する。具体的にはシナプス後肥厚部PSDにおけるCaMKIIαの局在やリン酸化、PSD-95を介したAMPA受容体とNMDA受容体の局在変化を比較検討する(CaMKIIα、PSD-95は共にmRNAの3’-UTRにグアニン四重鎖構造を持つTDP-43依存的被制御遺伝子である)。もし蛍光イメージングのみで特定できない場合、内在性のmRNAを不活化できる修飾オリゴを利用したアンチセンス核酸を用い、TDP-43 mRNAのノックダウンを実施する。神経細胞など、長期の培養や観察が必要な場合、siRNAよりも長時間、細胞内で標的mRNAを不活化できる修飾オリゴを利用したアンチセンス核酸でのノックダウン手法を検討する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響
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Research Products
(2 results)