2023 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular dynamics of TDP-43 and oxidized RNA in ALS pathogenesis
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20K07439
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
呂 軍 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 研究員 (40507498)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症(ALS) / 加齢因子 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンにおけるタンパク質凝集体の蓄積を特徴とする神経変性疾患である。TDP-43同様、ALS関連RNA結合タンパク質(RBP)の一つ、FUS(fused in sarcoma)も、グアニン四重鎖(G4)-DNA / RNAの特異的認識活性を持つ代表的なタンパク質である。精製された全長FUSタンパク質を用いて、複数の機能性モジュールで構成されるマルチドメイン構造の分子メカニズムを分析した。そこで、FUS凝縮液形成の液液相分離(LLPS)と、それに続くFUS凝集体の形成につながる液相固相転移(LST)の観察に成功した。このプロセスは、FUSとグアニン四重鎖RNAの相互作用によって著しく促進された。さらにグアニン四重鎖RNA依存性LLPSおよびLST経路の調節は、G4-RNA認識に欠陥のある8つのALS関連FUS変異体すべてで失われ、このプロセスにおけるG4-RNAの重要な役割を示された。上記の内容を2021年11月に発表した。しかし、家族性及び孤発生ALS変異の多くはグアニン四重鎖RNAとの相互作用が低下していると推定される一方で、何故若年では発症に至らず、加齢によりリスクが高まるかは解っていない。そこで、この素朴な疑問に対して、加齢シミュレーションの一つ、酸化ストレスは一体初代培養神経細胞にどんな影響を与えるかを調査した。まず、酸化ストレスを与えた初代培養神経細胞の次世代シークエンシング(NGS)を実施した。酸化ストレスはH2O2を一定時間(最初は24時間)、培地に添加する事によって付与した。この加齢因子(酸化ストレス)によって遺伝子発現が2倍以上有意に変動するのは191個あった。これら遺伝子とこれまでにALS発症に関与する様々な因子(TDP-43、FUS、PSD、CaMKIIα、PSD-95など)との関連をさらに解析する必要がある。
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Research Products
(2 results)