2020 Fiscal Year Research-status Report
脈絡叢特異的CAMDIノックアウトマウスを用いた自閉症様病理との関連解析
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20K07452
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
福田 敏史 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (50372313)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脈絡叢 / CAMDI / 自閉症 / 神経 / 移動 / 社会性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 脈絡叢特異的CAMDIノックアウトマウスの組織学的解析 全身CAMDIノックアウトマウスは大脳皮質神経細胞の移動異常を示すことが明らかとなっている。一方、脈絡叢の異常と脳実質の現象である神経細胞移動との関連を示す報告は認められない。脈絡叢特異的CAMDIノックアウトマウスにおいて、神経細胞移動の異常が認められなければ、脈絡叢の異常による影響を反映していると考えられる。 FoxJ1-CreERT2マウスとCAMDI flox/floxマウスを掛け合わせて胎生15.5日(E15.5)にタモキシフェンを投与することにより脈絡叢特異的な欠損を誘導した。生後2日目(P2)においてII/III層の神経細胞のマーカーであるCux1抗体、V/VI層のマーカーであるCTIP2抗体を用いて染色した。その結果、大脳皮質神経細胞の移動は正常であったことから、脈絡叢のCAMDIは、脳実質の神経細胞移動に関与しないことが明らかとなった。
2. 脈絡叢特異的CAMDIノックアウトマウスの行動学的解析 全身CAMDIノックアウトマウスにおいて自閉症様の行動が確認されており、胎生期の HDAC6特異的阻害剤の投与てにより神経細胞移動とともに自閉症様行動の一部が回復すること を報告している。一方、社会性を含む経験に依存する行動や高次脳機能に依存すると 考えられる行動の回復は認められなかった。これらのことから、神経細胞移動に依存する行動と、それ以外の異常に依存する行動があること示唆される。脈絡叢特異的 CAMDIノックアウトマウスの行動学的解析を行ったところ、社会的接触試験と社会的認知試験において、全身ノックアウトマウスに似た表現型を示すことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組織学的・行動学的解析とも順調に進展している。胎生期にタモキシフェンを投与することで、子育てを放棄する親マウスが一定頻度生じている。里子に出すなどの工夫を検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
CAMDIは微小管骨格を安定化する事で中心体の成熟を促進させることが明らかとなっている。成熟した脈絡叢には数十本の繊毛が中心小体から伸長し、ソニックヘッジホッグなどのシグナルを受容している事が知られている。これらのことから、CAMDIノック アウトマウスでは中心小体の増幅や繊毛の形成、細胞内のシグナルに異常がある可能性が示唆される。中心小体をg-tubulin、繊毛をアセチル化tubulinで染色し検討を行う。また、電子顕微鏡による繊毛の微細構造の比較を行う。 予備的な全身CAMDIノックアウトマウス を用いた実験ではFolinic acidの投与による改善の傾向が示されている。葉酸の代謝産物であるFolinic acidが治療に用いられるように、脈絡叢特異的CAMDIノックアウトマウスに葉酸や脈絡叢関連物質を投与することで自閉症様行動の改善が認められるかを検証する。投与物質の検討や投与時期・期間・量の検討を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ渦で大学全体が閉鎖され、マウスの使用や消耗品の使用量が激減した。今年度に十分量のマウスを繁殖させ研究に供する計画である。
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