2021 Fiscal Year Research-status Report
Mechanistic insights into the patho-etiology of lung cancer, especially focusing on the protective effects of promising antioxidant enzyme, PRDX4
Project/Area Number |
20K07454
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
山田 壮亮 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90525453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郭 シン 金沢医科大学, 医学部, 助教 (40816328) [Withdrawn]
浦本 秀隆 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90389445)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 抗酸化ストレス因子 / ペルオキシレドキシン4(PRDX4) / 肺癌 / 動物モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
ウレタンによる肺癌誘発マウスモデルにおける、抗酸化酵素peroxiredoxin 4(PRDX4)の役割を検討した。本研究の目的は、発がん物質によって誘発された肺腫瘍の発生に対するPRDX4過剰発現の生体内における影響を調べることにある。 ヒトPRDX4過剰発現transgenic(Tg)マウスおよび非Tgマウスにウレタンを腹腔内に注射し、肺腫瘍発生を誘発した。 六か月後、腫瘍の数と大きさを2群間で比較し、腫瘍発生の違いおよびそのメカニズムを検討した。ウレタン刺激後、Tg群においては、肺組織と血清でのPRDX4発現が増強された。 Tg群では腫瘍の数と直径が共に非Tg群より有意に増加した、体重はTg群で低かった。非Tg群と比較して、Tg群では腫瘍細胞の増殖が増強された一方、腫瘍細胞のアポトーシスが抑制された。全身性の酸化ストレスと肺腫瘍局所性の酸化ストレスは、PRDX4の過剰発現によって有意に抑制された。 Tg腫瘍では、酸化促進酵素と抗酸化酵素とのバランスも低レベルにシフトした。肺腫瘍組織では、腫瘍内微小血管の密度はTg群で有意に高かった。マクロファージの浸潤はTg腫瘍で増強されたが、Tリンパ球の浸潤は2群間で差が認められなかった。Tg群では、NF-κBとc-junの活性化増強により、腫瘍でのIL-1βおよびMMP9を含むcytokinesの発現も有意に上昇した。 総括するに、PRDX4の過剰発現は、悪性腫瘍の微小環境をcriticalに調節し、ウレタンによる肺癌誘発マウスモデルにおける腫瘍発生を促進する。肺癌治療における、抗酸化酵素PRDX4の応用が将来的に期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実際これまでに、PRDX4の、肺癌に対する詳細な統御メカニズムに関する論文を公表出来たばかりでなく(「The overexpression of PRDX4 modulates the tumor microenvironment and promotes urethane-induced lung tumorigenesis」がOxidative Medicine and Cellular Longevity誌(IF=6.543)に受理、Published 29 December 2020)、2021年4月に行われた第110回日本病理学会総会(東京)においても発表、公表させていただいた。
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Strategy for Future Research Activity |
PRDX4の過剰発現は、腫瘍の微小環境をcriticalに調節し、ウレタンによる肺癌誘発マウスモデルにおける腫瘍発生を促進し得ることを突き止めた。今後は、肺癌治療における抗酸化酵素の臨床応用が大きく期待されるため、さらに詳細な分子メカニズムの解明、一方で生体応用へ向けた新たなモデルの構築(in vivoだけでなくin vitro系も含めた)を模索している。
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Research Products
(3 results)