2023 Fiscal Year Research-status Report
マラリア原虫を特徴づける生物学的分子基盤の解明とその応用
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20K07463
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
有末 伸子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00242339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東岸 任弘 大阪大学, 微生物病研究所, 特任准教授 (20379093) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マラリア原虫 / 保存的遺伝子 / 比較ゲノム / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
マラリア原虫だけで共有されている遺伝子のうち、マラリア原虫種間で塩基配列の変異が少ないものはマラリア原虫を特徴づけるような機能に関与すタンパク分子をコードしていると考えられる。そのような遺伝子の中で既知の機能ドメインをもたないために、その機能が不明であるものをピックアップして機能解析をすることを目的としている。ピックアップされた40余りの遺伝子の中で特に発現量の多かった分子Xについて解析を進めている。分子Xはマラリア原虫の生存に必須な分子であると考えられ、ノックアウトが出来ない。そのため、機能を推測するために分子Xの強発現株、発現量を低下させたノックダウン株の作製、局在を詳細に解析するための抗体作製を試みたがいづれも成功に至っていない。マラリア原虫の遺伝子はATリッチであり、組み換えタンパク質の作製が難しい。大腸菌のコドンに合わせた合成遺伝子を作製し、分子Xの発現を試みたり、合成ペプチドを抗原としてウサギに接種して抗体を作らせ、それを使ってウエスタンブロッティングを行ったりしたが、分子Xを検知する抗体の作製には成功していない。これを打破するために、市販の抗体が使用できるタグ付きの分子Xの作製や大腸菌以外にもマラリア原虫のタンパク発現に実績のあるコムギ胚芽を用いる無細胞系タンパク質発現系を使用するなどの準備をしている。また、これまでに分子Xに蛍光タンパク質を融合させた「分子X-mCherry」の作出をゲノム編集により作出できているのでmCherryを標的とした抗体を利用することも考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
機能解析には抗体が必須であるが、分子Xについて、合成ペプチドによる抗体、組み換えタンパク質による抗体、いずれも分子Xと反応する有効な抗体を作製することが出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
市販の抗体が使用できるタグ付きの分子Xの作製や大腸菌以外にも無細胞系タンパク質発現系を使用するなどの準備をしている。それ以外にも末端に蛍光タンパク(mCherry)を融合タンパクとして発現する「分子X-mCherry」が作出できているので、mCherryを標的とした抗体により分子Xを検出する方法を試みる。抗体は免疫電顕 や相互作用している分子を特定するための免疫沈降実験に使用する。また、マラリア原虫に特異的で機能が不明な分子は40個ほどピックアップしてあるので、分子X以外の分子についても同様の解析を行う。
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Causes of Carryover |
研究の遂行に遅れが生じており、次年度末まで事業期間を延長させたため、繰り越し分が出ている。繰り越した分は抗体の作製や組み換えタンパク質の合成、質量分析の外部委託などに使用する予定である。
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