2021 Fiscal Year Research-status Report
腸管出血性大腸菌特異的な生体防御機構抵抗因子の同定と機能解析
Project/Area Number |
20K07474
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
清水 健 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (70312840)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱端 崇 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 細菌感染研究室長 (40311427)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 腸管出血性大腸菌 / O157 / 生体防御機構抵抗因子 / 一酸化窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はEHEC特異的な未知生体防御機構抵抗因子を特定して、詳細な機能解析を行うことである。EHECを含めた大腸菌にはNOの殺菌効果を減弱させる3種類のNO消去酵素が存在する。これら3種類以外にEHEC特異的な生体防御機構抵抗因子を明らかにするために、EHECの標準株であるO157 Sakai株を用いて3種類のNO消去酵素遺伝子を欠失したEHEC変異株を構築し、このゲノムDNAを用いてプラスミドライブラリーを構築した。これを非病原性大腸菌BL21株由来の3種類のNO消去酵素遺伝子を欠失した大腸菌変異株に形質転換した。この大腸菌ライブラリーを嫌気条件と微好気条件においてNO処理を行い、生き残ったクローンを回収するためにLB平板に広げた。このスクリーニングを3ー4回行って、NOストレスに耐性のクローンを濃縮する。濃縮されたクローンが保持するプラスミドのインサートDNAをPCRで増幅し、塩基配列を決定した。その結果、28クローンのインサートDNAのうち、3カ所のDNA領域が複数のクローンに存在していた。また、この領域が機能的であるかどうかを確認するために、個々のクローンのNO耐性が上昇しているかどうかを嫌気条件と微好気条件で確認した。その結果、複数のクローンに置いて、コントロールプラスミドを保持しているクローンよりもNOに対して抵抗性を保持した陽性クローンを得ることができた。現在、それらの陽性クローンの責任領域を明らかにしているところであり、その領域の存在する遺伝子を特定することを試みている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、EHECの標準株であるO157 Sakai株を用いて3種類のNO消去酵素遺伝子を欠失したEHEC変異株を構築し、このゲノムDNAを用いてプラスミドライブラリーを構築した。そして、NO抵抗性のクローンのスクリーニングにも成功しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はこのEHEC特異的な生体防御機構抵抗因子の機能解析を行うとともに、EHEC内での広がりについても解析する予定である。
|
Causes of Carryover |
研究代表者と研究分担者が進めていた研究を一時中断して、スクリーニングの方法を再検討した。このことによって今年度の研究費の使用を控え、再検討結果によってスクリーニングを再度行うことを考えていた。このために次年度使用額が生じた。しかし、再検討によってこの問題も解決したので、次年度使用額も使って研究を進めることができる。
|
Research Products
(2 results)