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2020 Fiscal Year Research-status Report

病原真菌のミトコンドリアにおける宿主血清コレステロール利用機構の解明

Research Project

Project/Area Number 20K07475
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

佐藤 美智代  千葉大学, 真菌医学研究センター, 日本学術振興会特別研究員(RPD) (70525386)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
KeywordsCandida glabrata / コレステロール / ミトコンドリア
Outline of Annual Research Achievements

病原真菌カンジダ・グラブラータは、カンジダ症の治療に頻用されるアゾール系抗真菌薬(エルゴステロールの合成阻害剤)に対して低感受性であるため易感染患者からの分離頻度が年々増加し問題となっている。低感受性の原因として、宿主からコレステロールを取り込み、利用する宿主コレステロール取り込み機構が挙げられている。しかしながら、宿主血中から取り込まれたコレステロールが、どのような輸送制御機構を介してグラブラータの細胞内で利用されているかについては不明である。本研究では、宿主血清コレステロールの細胞内輸送への関与が予想されるミトコンドリアに存在するERMES複合体のステロール輸送への関与について解析を行なった。
ERMES複合体の各破壊株(mmm1, mdm12, mdm34, mdm10, gem1破壊株)について、フルコナゾール(エルゴステロール合成酵素Erg11pを阻害)に対する感受性度合いを調べたところ、mmm1, mdm12, mdm34破壊株は野生株同様に感受性を示すのに対し、mdm10, gem1破壊株は耐性を示した。フルコナゾールは、エルゴステロールの合成が阻害され毒性のステロールが生産されることで抗真菌作用を示すことが知られているが、その作用機序は不明である。そこで、mdm10, gem1破壊株のフルコナゾール耐性の原因として、これら因子の欠失によりミトコンドリアへの毒性ステロールの輸送が阻害される可能性について検討することにした。Mdm10pとGem1pは、ミトコンドリアの外膜に存在し、Mdm34pを介してERMES複合体を形成している。Gem1pはERMES複合体の制御因子としての機能が示唆されているGTPaseで4つの制御ドメインを持っている。現在、Gem1pに焦点を絞り、フルコナゾール耐性に必要なドメインの特定を行なっているところである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナによる非常事態宣言により、一時、実験作業が困難となってしまったため、当初の予定より遅れが生じてしまった。また、当初ERMES複合体のうちMdm12を中心に解析する予定を立てていたが、gem1破壊株のフルコナゾール耐性に注目することがコレステロール輸送系の解明に有用であると判断し、計画変更を行なったため。

Strategy for Future Research Activity

Gem1pはERMES複合体の制御因子としての機能が示唆されているGTPaseで4つの制御ドメインを持っている。フルコナゾール耐性に必要なドメインを明らかにするため、Gem1pの各制御ドメインについてアミノ酸置換を行い7種類の変異gem1を作製する。各変異gem1を発現させた株のフルコナゾールへの耐性度合いについて調べ、耐性に必要なアミノ酸を特定する。また、変異gem1の細胞内局在を観察し、耐性と局在との関連性について調べる。さらに、mdm10, gem1破壊株のフルコナゾール耐性の原因として、これら因子の欠失によりミトコンドリアへの毒性ステロールの輸送が阻害される可能性について検討するため、mdm10, gem1破壊株における毒性コレステロールのミトコンドリアへの流入の有無を調べる予定である。

Causes of Carryover

(理由)
新型コロナ感染症により実験作業を止むを得ず中断した時期があり、当初の実験計画から遅れたため、今年度購入予定の物品購入が少なくなってしまった。また、参加を検討していた国際学会の中止や学会開催がリモートとなったため、旅費が発生しなかったため。
(使用計画)
ミトコンドリアの可視化に必要な試薬やPCRオリゴおよび実験機器の購入に使用する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2020

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Functional characteristics of Svl3 and Pam1 that are required for proper cell wall formation in yeast cells2020

    • Author(s)
      Jin Yifan、Okamoto Michiyo、Chibana Hiroji、Liu Guoyu、Gao Xiao‐Dong、Nakanishi Hideki
    • Journal Title

      Yeast

      Volume: 37 Pages: 359~371

    • DOI

      10.1002/yea.3502

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] A new regulator in the crossroads of oxidative stress resistance and virulence in Candida glabrata: The transcription factor CgTog12020

    • Author(s)
      Pais Pedro、Vagueiro Susana、Mil-Homens Dalila、Pimenta Andreia I.、Viana Romeu、Okamoto Michiyo、Chibana Hiroji、Fialho Ars?nio M.、Teixeira Miguel C.
    • Journal Title

      Virulence

      Volume: 11 Pages: 1522~1538

    • DOI

      10.1080/21505594.2020.1839231

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Sandwich freezing device for rapid freezing of viruses, bacteria, yeast, cultured cells and animal and human tissues in electron microscopy2020

    • Author(s)
      Yamaguchi Masashi、Taguchi Masaki、Uematsu Katsuyuki、Takahashi-Nakaguchi Azusa、Sato-Okamoto Michiyo、Chibana Hiroji
    • Journal Title

      Microscopy

      Volume: 70 Pages: 215~223

    • DOI

      10.1093/jmicro/dfaa049

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] エルゴステロール合成酵素Erg25pは病原性酵母Candida glabrataの宿主コレステロール取り込み機構に必要である2020

    • Author(s)
      佐藤(岡本)美智代
    • Organizer
      第53回酵母遺伝学フォーラム

URL: 

Published: 2021-12-27  

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