2022 Fiscal Year Annual Research Report
腸管感染環境への応答を軸とした腸炎ビブリオⅢ型分泌装置発現のRNA制御の理解
Project/Area Number |
20K07478
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 重輝 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (30506499)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腸炎ビブリオ / Ⅲ型分泌装置 / 発現調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国で発見された腸炎ビブリオは海産魚介類を媒介とする食中毒の代表的な原因細菌である。本菌はその主要な病原因子として、宿主細胞へのエフェクター分子の注入を行うタンパク質輸送装置であるⅢ型分泌装置を有している。腸炎ビブリオのⅢ型分泌装置関連遺伝子群の発現は物理的・化学的条件変化に応答して変動するが、本研究ではその発現制御機構について、従来の転写制御因子による転写調節応答からの理解に加え、RNA制御による発現調節の観点よりアプローチすることで、腸炎ビブリオのⅢ型分泌装置の発現制御ネットワークの全体的理解を目指してきた。 前年度までにⅢ型分泌装置の発現変動の複層性を分離することで、その一つの制御層においてRNAシャペロンによる発現制御を確認することができた。当該RNAシャペロン変異体および相補株を用いてタンパク質発現を評価すると、その効果は部分的であるものの、制御因子の発現が変動することにより、下流となるⅢ型分泌装置の構造因子および分泌基質の発現にまでタンパク質発現レベルで影響していた。制御因子のプロモーター活性およびqRT-PCRによる発現解析の結果を総合すると、この発現変動は制御因子のRNAレベルでの発現調節によると考えられた。これにより昨年度の結果と併せ、当該RNAシャペロンによるⅢ型分泌装置の発現調節効果を明らかにするとともに、その制御ネットワークの全体像をとらえることができた。一方でこの発現調節の分子機構は未だ不明であり、将来的な課題となった。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Structural basis for the toxin-coregulated pilus-dependent secretion of Vibrio cholerae colonization factor2022
Author(s)
Oki H, Kawahara K, Iimori M, Imoto Y, Nishiumi H, Maruno T, Uchiyama S, Muroga Y, Yoshida A, Yoshida T, Ohkubo T, Matsuda S, Iida T, Nakamura S
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Journal Title
Science Advances
Volume: 8
Pages: eabo3013
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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