2020 Fiscal Year Research-status Report
高病原性肺炎桿菌の莢膜形成を促進する鉄捕捉分子アエロバクチンの研究
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20K07479
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
金廣 優一 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (60609197)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺炎桿菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
強毒性の肺炎桿菌は、健常者にも感染し肺炎や敗血症などを引き起こす致死性の高い感染症である。近年、多剤耐性の強毒性肺炎桿菌が出現し、治療が大変困難となっているため、強毒性肺炎桿菌感染症に対する新たな治療戦略が求められている。応募者は、強毒性肺炎桿菌が高い頻度で保有しているシデロフォアAerobactinに着目し、その欠損株を作製したところ、病原因子の莢膜形成が低下することに気が付いた。本研究では、ルシフェラーゼレポーターアッセイを用いてAerobactinが促進する莢膜形成活性化分子を同定する。次に莢膜形成活性化分子の働きを阻害する化合物をスクリーニングすることで、強毒性肺炎桿菌の莢膜形成を強力に阻害できる新しい抗菌薬を開発する。莢膜形成の低下は、鉄を制限することで顕著に低下することが莢膜合成遺伝子発現解析と莢膜成分の定量実験により明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
莢膜形成に重要な分子機構は鉄代謝を介する新たな知見が得られたため
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Strategy for Future Research Activity |
莢膜形成と鉄代謝の関連性について in vitro, in vivoの実験を進めて菌の鉄代謝に注目することが莢膜形成を介した高い病原性に寄与するか明らかにする。
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Causes of Carryover |
想定よりも実験等に係るコストが小さかったため、今年度は実験遂行のために過不足なく使用する。
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