2020 Fiscal Year Research-status Report
Functional and structural analysis of a novel protease YabG specifically conserved in spore-forming bacteria
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20K07490
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
山澤 龍治 摂南大学, 薬学部, 助教 (20624068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑名 利津子 摂南大学, 薬学部, 講師 (50330361)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プロテアーゼ / 芽胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
枯草菌YabGの組換え体YabGは芽胞形成菌に存在する34 kDaのタンパク質をコードする遺伝子で、芽胞殻に含まれる芽胞形成タンパク質をプロセシングするプロテアーゼであることが報告されている。既存のプロテアーゼとの相同性は低く、MEROPSデータベースの分類はfamily U57(unknown catalytic type)で、触媒機構等は不明であった。 2020年度は組換え体を用いてYabGがアルギニンのC末端側を加水分解するエンド型システインプロテアーゼであることを明らかにした。これはMEROPSデータベースに登録されている113種のシステインプロテアーゼのファミリーのいずれとも配列が一致しない、新規のシステインプロテアーゼであることを明らかにし、我々はYabGを「Sporopain」と命名した。Sporopainの活性中心付近の配列はClan CD に属する酵素群と配列が類似することから、Sporopain はClan CDに属すると考えられる。 Sporopainは全長35 kDaで発現したあと、自己分解することで、一旦24-kDa 中間体になり、その後、数 kDa に自己分解する。35 kDa全長体から24 kDa中間体に自己分解する際には、5つの中間体があることがSDS-PAGEで確認できた。これらの中間体はN末シークエンス解析の結果より、YabGのN末端側のArg5、Arg17、Arg49、Arg93のC末端側が加水分解されていることを明らかにした。これらの結果は、各中間体YabGに活性があり、24 kDa YabGが成熟体であると考えられるが証明には至っていない。今後は、1-93のN末端領域がPro配列なのか?また、N末端領域が、Zymogen の様に活性をコントロールしているのかどうかを明らかにして行く。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は、枯草菌YabG(Sporopain)の基質特異性と自己分解能における、基質認識配列を明らかにしてた。Sporopainは芽胞形成時に芽胞形成タンパク質(SpoIVA, CotF, CotT, YeeK, YxeA, YrbA)を分解することが知られているが、どの部分で分解されるのか明らかにされていない。予備実験においては芽胞形成タンパク質の中には短時間で、数kDa以下に分解されるものもあれば、限定的な配列で分解されるものもあることを明らかにした。 また、並行して、構造解析に向けた結晶化条件のスクリーニングを行なっている。これまでに基質となる芽胞タンパク質の1つの結晶化条件を決めることができた。YabG変異体の結晶化条件のスクリーニングは、精製条件、タンパク質の安定化条件の決定を行った。 芽胞形成菌は、好気性菌のBacillii 網と嫌気性のClostridia 網の菌が存在し、それらの菌のほとんどにSporopainは保存されている。Clostridia 網 に属するClostridium sporogenes 由来のSporopainにおいても解析を進めており、枯草菌YabGとは基質特異性が異なる点があることや、酸性領域での比活性の違いも明らかにしてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で、SporopainがN末端領域をどの様に分解するかは明らかにしてきたが、その機能までは明らかにできていない。N末端の機能を明らかにするためにN末端領域によるSporopainのプロテアーゼ活性の影響を、組換え体を用いて検討して行く。また、申請書の研究実践計画にある様に結晶構造解析を進めて行く。
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