2020 Fiscal Year Research-status Report
Involvement in the pathogenic mechanism of Streptococcus pyogenes-derived extracellular vesicles
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20K07495
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村瀬 一典 京都大学, 医学研究科, 助教 (40710869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 泰生 宮崎大学, 医学部, 准教授 (20353659)
相川 知宏 京都大学, 医学研究科, 助教 (70725499)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞外小胞 / A群レンサ球菌 / 病原機構 / 免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、A群レンサ球菌が産生する細胞外小胞(EV)による病原性機構と宿主との相互作用を明らかにすることを目的として遂行している。本年度の研究計画は、1) 臨床分離株(劇症型・非劇症型)におけるEV産生量の把握, 2) EVに内包されるタンパクの網羅的な同定の2点である。 1) 臨床分離株(劇症型・非劇症型)におけるEV産生量の把握 劇症型群・非劇症型群由来の臨床分離株(各10株)からEVを回収し、Nano Tracking Analyzerを用いて定量およびサイズ分布を確認したところ、両群に有意な違いはなく、60-80nmのサイズ分布を示した。しかしながら、非劇症型群に比べ、劇症型群の方が1.8倍のEV産生量を示し、EVによる病原性への寄与が示唆される結果となった。 2) EVに内包されるタンパクの網羅的な同定 先行知見から、A群レンサ球菌のEVには多数の病原性に関与するタンパクが含まれていることが明らかとなっている。本研究においても、劇症型群・非劇症型群それぞれ2株ずつのプロテオーム解析を行った結果、劇症型群に属する2株においては、主要な病原関連タンパクであるSLOやNAD-glycohydrolaseが有意に多く含まれており、EVがA群レンサ球菌の病原性に強く関係していることが推察される。本実験については、次年度、さらに解析対象株を増やし、上記の結果が劇症型群において一般的に認められるのか否かについて検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究は概ね順調に進展しており、次年度においても研究計画に沿って遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は当初の予定通り進展しており、今後も研究計画に沿って遂行する。次年度においては、前年度の研究計画にもあった「EVに内包されるタンパクの網羅的な同定」の追加解析を行うことに加え、In vitroでのEVの細胞傷害性と免疫応答の検討を中心に、A群レンサ球菌のEVが宿主細胞に及ぼす影響について、実験的かつ情報学的なアプローチで明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
本年度は、概ね順調に研究計画は進んでいる。 しかしながら、昨今のコロナ感染拡大による移動制限により、当初予定していた研究打ち合わせ(宮崎大学への旅費として計上)を遂行することが困難であったことから、本年度の未使用額が生じた。 次年度使用額については、旅費に補完せず、研究遂行に必須の物品費に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)