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2021 Fiscal Year Research-status Report

緑膿菌による腸管経由内因性血液感染機構の解明

Research Project

Project/Area Number 20K07500
Research InstitutionKagawa Prefectural College of Health Sciences

Principal Investigator

末澤 千草  香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (90331868)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 奥田 潤  香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (90334276)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords緑膿菌 / Caco-2細胞層透過活性 / 腸管経由内因性血液感染
Outline of Annual Research Achievements

これまでに申請者らは、ヒト結腸癌由来細胞(Caco-2細胞)層を用いて緑膿菌の透過活性評価試験を行い、Caco-2細胞層透過活性に関与する21個の遺伝子を同定した。さらに、これらの遺伝子群のうち、生合成経路関連遺伝子のserA遺伝子および熱ショックタンパク質遺伝子のdnaK遺伝子については、緑膿菌の病原性に関与することを明らかにしている。
本申請研究では、これらの研究結果を基にして、緑膿菌による腸管経由内因性血液感染の予防につながる有力な因子(ターゲット遺伝子やターゲットタンパク質)を探索することを目的としている。
昨年度は、これまでに申請者らが同定した21個の遺伝子のうち、解糖経路に関連する遺伝子について、遺伝子破壊株および遺伝子相補株を用いて、Caco-2細胞層透過活性評価試験を行った。その結果、遺伝子破壊株では野生株と比較して透過活性の減少がみられ、遺伝子相補株では遺伝子破壊株と比較して透過活性の回復がみられた。
本年度は、解糖経路に関連する遺伝子の遺伝子破壊株および遺伝子相補株で観察された透過活性の結果に、解糖系オペロンが関与しているかどうかについてオペロンを構成する遺伝子の破壊株を作製し検討を行った。その結果、オペロンが関与している可能性が示唆された。
今後は、解糖経路に関連する遺伝子による本菌の病原性への影響について、病原性試験等さらに解析を進める予定である。また、生合成経路に関連する遺伝子群についても、それぞれの遺伝子と緑膿菌の病原性との関連性について解析を進めていく予定である。さらに、serA遺伝子に関する実験で明らかとなったL-セリンの効果については、感染モデル動物を用いた感染実験を進める予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本申請研究の申請時には計画に含まれていなかったが、緑膿菌による腸管経由内因性血液感染機構について解析を進めていく中で、緑膿菌の上皮細胞層透過活性に関与する病原因子と宿主細胞側の宿主因子との関りについての検討を追加することとなった。現在、宿主因子候補を選定し、ノックアウト細胞の作製を試みているところである。また、解糖経路に関連する遺伝子の遺伝子破壊株および遺伝子相補株で観察された透過活性の結果に、解糖系オペロンが関与していることが示唆されたため、これらのオペロンを構成する遺伝子群の影響についての検討も行うこととなった。これらの理由から、申請時の予定よりやや遅れが生じている。

Strategy for Future Research Activity

これまでに申請者らが同定したCaco-2細胞層透過活性に関与する21個の遺伝子のうち、まだ詳細な検討を行っていない遺伝子について、遺伝子破壊株および遺伝子相補株を作製し、Caco-2細胞層透過活性評価試験、運動性試験、Caco-2細胞付着実験などの病原性試験を行う予定である。また、本申請研究の申請時に計画していた病原性試験に加え、RNAを用いた網羅的遺伝子発現解析や緑膿菌の上皮細胞層透過活性に関与する病原因子と関連する宿主因子をノックアウトした培養細胞の作製およびその細胞を用いた病原性試験も行いたいと考えている。さらに、serA遺伝子に関する実験で明らかとなったL-セリンの効果について、感染モデル動物を用いた感染実験を行い、検討を進めていきたいと考えている。

Causes of Carryover

予定していたよりも解糖経路に関連する遺伝子についての解析に時間を要し、生合成経路に関連する遺伝子群に着手できていないため、使用額が予定額より少額となり、次年度使用が生じた。今年度は、着手できなかった遺伝子について、遺伝子破壊株および遺伝子相補株を作製し、それぞれの遺伝子と緑膿菌の病原性との関連性について解析を進めていきたい。また、L-セリンの効果についても感染モデル動物を用いた感染実験を進めていきたい。

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Published: 2022-12-28  

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