2022 Fiscal Year Annual Research Report
病原性酵母クリプトコックスの病原因子としてのタンパク質マンノシル化機構の解明
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20K07501
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
清水 公徳 東京理科大学, 先進工学部生命システム工学科, 教授 (40345004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 由巳 関東学院大学, 理工学部, 教授 (50725124)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | クリプトコックス / タンパク質マンノシル化酵素 / 含硫アミノ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
クリプトコックス・ネオフォルマンスのタンパク質マンノシル化機構と病原性の関連を解明するための研究を継続した。クリプトコックス・ネオフォルマンスのタンパク質のGFP観察は困難であり、その原因として、本菌のGFP蛍光が安定的に検出されないことが主な原因と考えらたため、観察法などを工夫するとともに、新たな菌株の構築にも取り組んだ。2022年度は、前年より引き続き、クリプトコックスの病原性評価のために、カイコを用いた感染実験を行った。クリプトコックスの含硫アミノ酸(システインおよび/またはメチオニン)要求性変異株をカイコに接種したところ、カイコに対する病原性は低下しなかった。含硫アミノ酸を含まない培地にカイコの体液を加えると、含硫アミノ酸要求性変異株は野生型株と同様の生育を示したことから、カイコの体液にはクリプトコックスが必要とする含硫アミノ酸を十分に含むことが示唆された。本実験結果は、栄養要求性変異株と実験動物の組み合わせには注意を払う必要があることを示した例であり、論文として公表した。 研究期間全体としては、クリプトコックス・ネオフォルマンスのタンパク質マンノシル化機構と病原性の関連の解明を目指して研究を行ったが、タンパク質の抽出やGFP融合タンパク質の観察などの技術的な面で遅滞が発生した。並行して実施したアスペルギルス・ニドランスを用いたタンパク質マンノシル化酵素のかび毒産生への関与に関する研究では、論文として好評にいたる成果が上げられた。
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Research Products
(2 results)