2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K07505
|
Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
永浜 政博 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (40164462)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ウエルシュ菌β毒素 / P2X7阻害剤 / 治療薬 / ポア形成毒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、壊疽性腸炎の原因であるC型ウエルシュ菌β毒素の病原性発現機構をこれまでに検討し、本毒素は感受性細胞のP2X7受容体を認識して結合し毒性を発現すること、そして、腸管上皮細胞に障害を与え腸管上皮の絨毛の脱落を起こし病原性を発現することを明らかにした。今年度は、本毒素によるC型ウエルシュ菌感染症克服に役立つ知見を得るため、これまで得られた研究成果から 感染症に対する治療薬の開発を検討した。 本感染症の治療薬の発見の手がかりを得るため、β毒素の細胞毒性を抑制する薬物の検討を行った。β毒素のTHP-1細胞に対する細胞毒性は、P2X7阻害剤であるブリリアントブルーG(BBG)で抑制された。さらに、BBGは、本毒素によるマウス致死活性や腸管毒性を抑制した。すなわち、P2X7阻害剤は毒素の治療薬として有用であることが判明した。一方、本毒素のHUVEC(ヒト血管内皮細胞)に対する細胞毒性は、カルモジュリン阻害剤トリフルオペラジン(TFP)やADAM10阻害剤で抑制(GI)された。今後、TFPやGIの本毒素のマウス致死活性に対する影響を検討する。以上の結果から、本毒素の毒性はP2X7阻害剤、カルモジュリン阻害剤、そして、ADAM10阻害剤で抑制されることから、これらの阻害剤を使用して、本菌をマウスに感染後の、感染症の拡大を抑制するかどうか検討する。いずれの阻害剤も、複数の特異的な阻害剤が存在し、個々の阻害剤で、その有効性や副作用などを検討し、治療薬の候補として最適な阻害剤を選択する。
|
-
-
-
[Journal Article] An autopsy case of rapidly aggravated Clostridium perfringens septicemia with colorectal cancer2022
Author(s)
Kohya R, Murai T, Taguchi Y, Sawai K, Takehara M, Nagahama M, Itaya K, Koike Y, Endo A, Ono Y, Nagasaka A, Nishikawa S, Nakamura M
-
Journal Title
Case Reports in infectious Diseases
Volume: 2022
Pages: ID1071582
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-