2020 Fiscal Year Research-status Report
ヒト化マウスを用いたハンタウイルス感染症の病態解析
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20K07510
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 健太 北海道大学, 医学研究院, 助教 (20466840)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 免疫系細胞 / CD8陽性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハンタウイルスは病原性の高い出血熱ウイルスのひとつで、ヒトに感染して腎症候性出血熱およびハンタウイルス肺症候群を起こす。その病態には宿主の免疫系が関与すると推定されているが、不明な点が多い。研究代表者はこれまでに、腎症候性出血熱に特徴的な腎臓髄質の出血性病変を発現するマウスモデルを開発し、その病態発現にCD8陽性T細胞が関与することを明らかにした。しかし、CD4およびCD8陽性T細胞以外の細胞の病態との関係の有無については明らかとなっていない。免疫系が多種類の細胞間の直接・間接の相互作用で形成されていることを考えると、その他の細胞も重要な役割をしている可能性は十分考えられる。そこで、強毒株および弱毒株感染マウスの脾臓および腎臓の細胞を採取し、フローサイトメーターで解析した。その結果、強毒株感染マウスの脾臓および腎臓中にリンパ球とは異なる細胞集団の増加が認められた。これらはどのような細胞集団で、どのような反応を起こしているのか?今後、好中球、マクロファージ、樹状細胞などの主要な免疫系細胞の動態を解析し、強毒株感染マウスの脾臓および腎臓中で増加している細胞集団の同定を試みる。また、CD8陽性T細胞のなかにも複数のサブセットが存在するので、それらの動態も解析し、強毒株特異的な変化を示すサブセットの同定を試みる。さらに、同定した細胞集団を分離して遺伝子発現動態を解析し、病態発現における重要性を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行の影響で、研究活動を縮小したため。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に実施予定であった内容も並行して実施し、遅れを取り戻すよう努める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行の影響で研究活動を縮小したため、次年度使用額が生じた。初年度に実施予定であった内容を並行して実施し、遅れを取り戻すよう努める。
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