2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K07530
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
中山 絵里 国立感染症研究所, ウイルス第一部, 主任研究官 (40645339)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ジカウイルス / グリオーマ / 神経膠腫 / ウイルス療法 / がん幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では神経膠細胞が腫瘍化することで起きる神経膠腫(グリオーマ)に対してジカウイルスを用いたがんのウイルス療法を試みている。本年度は、グリオーマ細胞を移植することでマウス脳内に腫瘍を形成させる手技の習得から開始した。グリオーマ細胞を脳内移植したすべてのマウスががんを発症し、安定的にマウスにグリオーマを発症させる手技を習得することができた。次に、グリオーマ細胞移植7日または14日後にジカウイルスを皮下接種し、ジカウイルス接種群と非接種群でマウスの生存率を比較した。ウイルス非接種群の生存率が20%であったのに対し、ウイルス接種群の生存率は63%で、グリオーマに対するジカウイルス療法の効果が示された。最後に、ジカウイルス療法により生残したマウスの皮下にグリオーマ細胞を接種し、皮下腫瘍の形成が抑制されるかどうか評価した。ナイーブマウスではがん細胞接種7日目頃から皮下に腫瘍が認められたのに対し、ジカウイルス療法により生残したマウスではがん細胞接種から20日経過後も皮下腫瘍は認められなかったことから、ジカウイルス療法により生残したマウスではグリオーマに対する抗腫瘍免疫応答が賦活化されていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グリオーマ細胞を脳内に移植することでがんを発症するマウスモデルについて手技を習得した。また、グリオーマに対するジカウイルス療法の効果を確認することができたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ジカウイルス療法の作用機序の解明を進める。グリオーマを脳内移植したマウスでは、移植していないマウスと比較してジカウイルス感染後の症状が増悪したため、担がんマウスにおけるジカウイルスの病原性を解析する。また、正常な脳組織では増殖しないように改変した組換えジカウイルスを作出し、グリオーマの治療に使用可能かどうかを評価する。
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Causes of Carryover |
年度末納品等にかかる支払いが、令和4年4月1日以降となったため。当該支出分については次年度の実支出額に計上予定であるが、令和3年度分についてはほぼ使用済みである。
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